2010/11/14

室内に取り込んでからの管理

もう既に、室内でデンドロビュームを管理されている方がほとんどではないかと思います。
室内に取り込んでからの管理を簡単に説明してみます。


夜間の最低気温が7~8度以下に下がりはじめたら、今まで戸外に出していた株を室内の日当たりの良い場所に取り込みます。
※バルブ(茎)が未熟な場合は最低気温が15度前後になる頃には室内に取り込みます。
 
暖房などは必要なく、南向き、または東向きに面した縁側や窓の内側が適当な場所です。
晴天の暖かい日には時には窓を開けて通気をはかるようにします。

休眠期であっても光線はしっかりと


室内に取り込むと、すぐに葉の色が黄色くなり落葉を始めることがあります。
しかしこれは病気ではなく、急激な環境の変化によって起こる現象でしばらく経つと止まります。
落葉するのは昨年伸びた古い茎が中心であり、新しい茎の葉はわずかに株元付近のみが黄色くなります。


主にバックバルブが落葉します


夜は暖房は必要とせず、特に場所を移動したりしなくともカーテンを閉めたり、窓辺から少し離すなどの気配りだけで十分です。


温度が心配なら窓から少し離してやります


明け方近くになりますと窓辺付近は10度近くになります。
このとき、早めに室内に取り入れた株や戸外でまだ充分な低温に当てていない株は、明け方にかけての室内の低温であっても花芽分化に必要な条件が整います。


室内の温度でも低温に当てることが出来ます

11月下旬頃になると夜間の冷え込みも次第に厳しさを増し、室内でも6~7度くらいに下がりはじめますが、生長が止まり、休眠期に入っているのでこの程度の低温はデンドロビュームにとっては全く問題ありません。




この時期の水やりは、よく晴れた暖かい日の午前中に、鉢の中が少し湿る程度の軽い水やりを行ない、夕方までには乾くようにします。

晴れている時は高温に注意します

室内に取り込んでから落葉しましたが、ここで慌てて、水が足りないと勘違いし、たっぷりの水やりは厳禁です。
バルブ(茎)の状態を見ながら判断します。バルブ(茎)が太っていて、瑞々しさを保っていれば水は足りています。
今回は、バックバルブ(古い茎)、新バルブ(新しい茎)ともに瑞々しい上に、すぐに落葉したこともあり、葉の数が一気に減りましたので乾きにくくなっています。しばらく水やりは控えることにします。
※低温時の灌水過多は根傷みの原因となるので注意が必要です。



また、良く晴れた日は窓辺の温度が急に上がることがありますので、窓を開け風を取り入れたりして、極端な高温には注意をします。




このとき既に戸外で充分に低温に当たった株には花芽が見られます。
室内に取り込んでから1週間ほどしか経っていませんが、花芽が膨らんできました。
花芽の生育には日中の自然の暖かさ、日差しでも充分なことがわかります。


日中の陽気で花芽が既に膨らんできました



温度を高くすれば早く開花しますが、リビングなどの暖房による極端な乾燥や高温は葉を落としたり、花芽が黄変したりする恐れがあります。
人のいるときだけ暖房器具で室温が高く、人のいない夜から明け方には厳しく冷え込むような極端な温度変化の場所よりは日中の自然な温度の上昇がある程度で充分です。
休眠期は日中もそれほど高い温度は必要ありません。

また、昼も夜もエアコンで暖められた室内は昼夜の温度差がなく、開花は早くても、小さな花が咲いたり、品種本来の色彩が発色しないということもあります。

休眠期のデンドロビュームの管理は暖房の無い部屋のほうが、株に負担もなく管理も楽で、失敗も少ないでしょう。