2011/06/08

フラスコの輸出準備

今日は弊社のタイ農場へのフラスコの輸出準備がありましたので、それを紹介します。



箱詰されたフラスコ



輸出と言っても、持ち込むのは普通の苗ではなく、メリクロン増殖用に組織培養されたPLBと呼ばれる植物になる前の植物組織の塊です。

それがこれです。

細胞分裂で増えた組織


PLBと呼ばれています



メリクロン増殖はデンドロビュームの増殖法の一つでバイオ技術を利用した増殖法になります。
作業工程は専門的で非常に難しいのですが、簡単に説明しますと次のとおりです。

デンドロビューム新芽の成長点や元部に存在する腋芽(えき芽)を無菌的に取り出し、薬品の入ったフラスコで振盪(しんとう、揺り動かすこと)を行うと、組織が細胞分裂を起こし、その細胞の塊が大きくなります。

薬品の入ったフラスコの中で24時間揺さぶられます


 この状態のものをPLBと呼び、茎葉や根などがはっきり分化していない状態です。
これを切り分けて振盪を行うと、更に増えてきます。
この工程を繰り返すことで、親と同じ性質を持ったデンドロビュームの大量増殖が何万、何十万株と可能になるのです。

植物の種類によって作業工程や実際の方法は異なりますが、いわゆるコピー植物はこのようにして生産されます。

山本デンドロビューム園ではこの増殖される元になる新品種の作出は日本で行ない、初期段階のPLB増殖を行った後、以降の増殖作業をタイ農場で行なっています。


さて無事に植物検疫をうけて、輸出許可のハンコを押してもらいました。



無菌培養のフラスコなのでこれは問題なしでした。



無事に届いて、いずれ世界中へデンドロビュームの苗が届けられることを願っています。