2011/06/13

葉の裏に黒いすす状のものが、、、

お客様からいただいた問い合わせから

「とてもすばらしい株が届きましたが、葉の裏の付け根付近に黒いすす状のものが付着しておりますが問題はないのでしょうか?」

ずいぶん前にこのブログでも取り上げたことはあるのですが、これはスス病(すす病)といいます。


早速、農場で確認してみました。これが良く見られる症状です。

葉の裏の付け根に多く見られます

触ると蜜でベタベタします


生育期となり、活発に伸張・展開するデンドロビュームの葉の裏付け根からは蜜状の粘液が分泌されます。スス病(すす病)はその蜜を栄養にして発生するものがほとんどです。

このスス病(すす病)がデンドロビュームの植物組織に浸透して他の病気を誘発するものではありませんので、心配はありません。

しかし、中にはダニやアブラムシなどデンドロビュームの葉の汁を吸う害虫や葉の裏の密に集まる害虫の排泄物を栄養にして繁殖することがあります。
スス病(すす病)を発見したら、害虫の発生がないかを確認することも必要です。もしも害虫が確認されたならば、そちらへの対処が急務でしょう。




先日ハワイから輸入されたデンドロビュームの苗を開梱時に撮影しておきましたが、葉の裏には、すす病が確認できる苗が見られました。

蜜の分泌が由来と思われるスス病(すす病)ですが、ハワイからの輸出および、日本への輸入のどちらの検査も問題なくパスしています。


ハワイから届いた苗の葉の裏


ハワイから届いた苗の葉の裏




植物の輸出入はそれぞれの国で植物防疫法により厳しい検査が行われますが、これまで、このスス病(すす病)が問題になったことは一度もありません。




すこし安心して頂けたでしょうか。




スス病(すす病)への対処法はこちらのページで詳しく書いてありますので、是非、再確認してください。
 http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2010/08/blog-post_24.html


スス病自体はデンドロビュームに影響を及ぼすことはありませんので、程度が軽いものであれば、放置しておいても構いません。気になるようであれば、湿らせたティッシュペーパーで拭きとってやる程度で良いと思われます。


よろしくお願いします。