2011/09/02

台風12号

台風12号がゆっくりと近づいています。

岡山地方気象台によると台風12号が3日午後、県内に最接近、今回の台風は岡山を直撃するコースです。



岡山市内は今朝から、次第に雨、風共に強くなり、 山本デンドロビューム園では朝から岡山市内数カ所にある圃場と県北の山上げ場の台風対策に取り掛かりました。

台風対策って何をするのかと思われる方もいるかも知れません。
台風の来る度に栽培場で行われる作業を紹介します。

ガラスと鉄筋でできた丈夫なガラス温室は別にして、ビニールを被覆材に使用し、パイプで組まれたビニールハウスは台風による暴風にさらされると破損したり、ひどい場合は倒壊することもあります。

夏で全開放しているハウスも入り口、天窓、サイドのビニールもすべてを塞ぎ、隙間風の入らないようにします。可動部分は動かないよう農業用のバンドで固定します。

ビニールに傷んだ部分があれば補修をして、僅かな風も侵入しないようにするのです。


ビニールを強く押し付ける風、ネットが風で大きく膨らみます


僅かな風も一旦入れば、風の吹上げが起こり、そこから被覆ビニールが剥がれたり、 ひどい場合は風をはらんでビニールハウスを持ち上げたり、押しつぶすこともあるのです。
当然中の植物も大きな被害をうけることになります。

また、山上げ場に設置されている屋根部分にだけビニールやネットのかかっている簡易ハウスの場合は、風の抵抗をなくすためにこれをすべて取り外してしまいます。
植物が雨ざらし、暴風にさらされますが、風でビニールやネットが飛ばされて周辺に迷惑になることを防ぎます。


ハウス間に張られたネットは外されています







青く見えるのは防風ネットです



さて、台風が無事過ぎ去り、被害もなかった場合もただ安心はできません。

台風通過後は晴れ間が出て、光線が強くなることがあるため、閉めきったビニールハウスを開放しなければならないのですが、風よけに補強してあるためにすぐには開けられません。
密閉状態のハウス内の温度は急上昇、一転、高温障害の恐れすらあります。

また、取り去った山上げ場へは直射光線でデンドロビュームが葉焼けなど起こさないよう、ハウスのビニールや遮光ネットを早急に張り直しに車で数時間かけて行かなければならないなど、ひとたび台風が来ると他の作業が手につかないほどの忙しさです。


そして、さらに暴風雨によって植物への泥のはね上がりや暴風でできた傷口より病原菌が侵入しやすくなるため、殺菌剤などの薬剤散布を行う必要も出てきます。
病気の発生が心配されます




山上げ作業の忙しいこの時期、台風の発生の都度、その進路に悩まされています 。





皆さんの所は、雨、風大丈夫ですか?