2011/09/27

播種から12ヶ月後の様子

デンドロビュームの播種から12ヶ月経ちました。ちょうど一年になります。



2ヶ月前の7月28日の投稿では播種から10ヶ月経ち、フラスコ苗がコミュニティポットの中でしっかりとしてきた様子を紹介しました。

これがその時の画像です。
葉は緑が徐々に濃くなり、茎に張りがでてきてしっかりしてきた様子です。




播種から10ヶ月、幾分しっかりしてきました
 
 
 
そして現在、上の画像撮影時からさらに2ヶ月たった様子をご覧ください。
頼りなかった苗も随分としっかりとした少苗になりました。
わずか2センチ程度の小さな苗ですが、艶のある綺麗な苗です。
 



 
 
 
 
 
 
 
播種後からは約1年が経過したことになりまが、吹けば飛んで無くなるような、けし粒よりもさらに小さなきな粉のようなデンドロビュームの種がやっとここまで生長しました。
 
 
 



これらは実生であるため、全てが違う品種、違う性質を持っています。下の写真の葉の形を比べてみてもそれぞれに個性があります。

楕円に近い葉の形

葉がかなり長細いいタイプ

太い茎に対してかなり短い葉


茎に対してかなり大きいバランスの悪い葉

上向きの丸葉タイプ


実はこの小さな苗の段階ですでに次に残すべき品種かどうかの選抜も始まっています。

大きな葉、長くて垂れ下がる葉は開花の邪魔になり、開花後も花の見栄えを悪くします。
園芸品種の育種において重要なことは美しい花であることはもちろんですが、営利栽培に適しているかどうか、市場への流通に耐えうるかどうか、鉢物商品として適しているかどうかという点も大切なポイントになります。

すでに苗の段階で株立ち、根張りなどの条件で選抜され、良い苗だけが残されていきます。
全ての苗が初花を咲かせられるわけではないのです。



定期的にお届けしているこの播種からの苗の生育は、やっと1年が過ぎました。
開花まではまだ3年以上かかります。
 
改めて育種は気の長い作業であると感じます。