2012/02/11

メリクロン培養

デンドロビュームはメリクロン(生長点培養)によって、たった1株から同じ性質を持った苗を大量に生産することが可能です。


写真はタイの農場で生産したデンドロビュームのフラスコ苗。
今日日本に届いたばかりです。
ガラス瓶いっぱいに大きくなったデンドロビュームの苗は見るからに健康的な苗であることがわかります。




これは植物組織培養方法の1つですが、この方法が実用化する前まではデンドロビュームの繁殖には挿し木や株分けしかなく、実生苗はその性質が定まらないために、種苗の供給面からは大変不安定なものでした。



弊社では1973年に山本二郎がデンドロビュームのメリクロン培養法の実用化に成功して以降、クローン苗を短期間で大量生産することを可能にし、30年前からはタイの農場にてメリクロンによる苗の生産を行なっています。現地の安価な労働力を生かし、苗の安定供給、低価格での供給を実現しました。












たとえば、今年選抜されたたった1株の実生の初花も、この技術を応用することで同じ性質を持ったクローン苗を短期間で大量生産することが可能になります。
挿し木や、株分けでは時間がかかりすぎて、いつまで経っても商品化することは不可能ですが、メリクロン技術では数年後には同一品種の鉢物を大量生産することも可能なのです。

しかも、実生であれば種を蒔いて、苗から開花までに5年もかかっていたものがわずか2,3年に短縮される品種も出てきました。


メリクロン培養技術の発見はデンドロビュームだけではなくその他のランにとっても大きな転換点でした。繁殖が難しく、まさに貴族趣味であったランは、 この技術革新以降、広く大衆化していったのです。
現在、気軽にランを楽しめるのもメリクロン培養技術の進歩のおかげといっても良いでしょう。