2012/04/10

花の咲いているうちに

デンドロビュームの開花期も終わりに近づいていますが、花の咲いているうちにやっておかなくてはならないことが山積みです。

写真は品種登録(植物特許)の申請のために花の特性を調べているところです。
※品種登録とは新しく開発された新品種について、育種家および営利栽培家の権利と利益を守るための法的な制度とお考え頂ければ良いと思います。
その効果は日本国内だけでなく、海外から違法に増殖されて国内に持ち込まれることも防いでくれます。


開花しているうちに調査をしておかないと、申請が出来ず、認可が降りるのが1年先伸ばしになったりと種苗の販売上も困ることが多いのです。



まず在来の品種との違いを特性調査により数値的に明確にすることで、新品種の優れた品種特性を明らかにします。

花の形を詳細に調べ、サイズ、色彩、形状を細かく記録します。

 



花をパーツごとに分解します。
幾つものサンプルから平均的なサイズを記録します。

1つの品種を申請するためには、申請する品種だけではなく、在来品種との比較対照のためよく似た2品種を対照品種として同時に調査してもらいます。そのためその対照品種の特性をも合わせて計測する必要があります。





こちらは色の判定。
実物を重ねあわせて、目を細めてみたり。







カラーチャートから
ピッタリの色を探すのは結構至難の業です。





花粉嚢の色まで調べたりします。





こうして、調査申請を終えても、すぐに認可されるわけではなく、早ければ来年の開花シーズンに農林水産省から担当者が来て、実際の開花状況を調査。間違いなく新品種であることを確認してもらいます。問題なければその数ヶ月後に認可が降りる仕組みです。

かなり面倒な作業に思われるかも知れませんが、 これでも、数年前に比べて申請から認可までの過程が随分スムーズになったような気がします。