2012/05/13

播種から1年7ヶ月後の様子

播種後の様子を追っている実生苗の状態を見てみます。

前回の投稿から随分と期間が空きました。


実に播種から既に1年と7ヶ月が過ぎています。


2011年9月27日の投稿では播種から12ヶ月、まる1年が経ち、フラスコ苗がコミュニティポットの中でしっかりとしてきた様子を紹介しました。

これがその時の画像です。
葉は緑が徐々に濃くなり、茎に張りがでてきてしっかりしてきた様子です。

2011年9月27日の投稿から



そして現在、上の画像撮影時からさらに7ヶ月経過した様子をご覧ください。



葉が茂り、ラベルや素焼鉢が見えないくらいに大きく成長した様子が伺えます。

前回の投稿から7ヶ月経ったにもかかわらず、「まだコミュニティポットに植わったまま?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんね。

というのも11月から4月までデンドロビュームが開花シーズンを迎えるために、出荷作業や交配など開花中にしか出来ない作業を優先するために、育苗に関する作業は大半が4月以降に回されます。


本来であれば生育優先で管理すべきで、既に個別に植えこみされていても良い時期、サイズでありますが、鉢物生産をする上で、開花、出荷の業務も疎かにできません。
また、開花鉢を出荷することで、やっと温室が空き、新たな苗を配置できると言う理由もあります。
決まった栽培面積の中で育種と生産を続けるためにはこのような制約を受けることもあります。

開花シーズンを何とか終えた後、やっと育苗作業に集中できるのです。



でも見てください。この元気な姿。













コミュニティポットから溢れんばかりの勢いで生育をしています。

6cmあるいは7.5cmポットへいつでも植え込みが可能なサイズです。

既に苗の時点で、それぞれに個性を発揮しつつあります。
間もなくこれらの実生苗は、一株づつ植えこみされます。

しかし、ここでもまた次に残すべき品種かどうかの選抜も必要になります。
毎年1万本以上の実生を開花させますが、その数に絞り込むためにはまだまだ選抜の過程を経る必要があります。

1万本と聞いて驚かれるかも知れませんが、選抜に選抜を重ねて1万本に絞り込むのです。


間もなく植え込み作業に入ります。