2013/05/14

スリップスによる被害

スリップスは、アザミウマとも呼ばれる体長1ミリ前後の小さな害虫です。
ラン類に加害する種は多く確認されていますが、体長が小さいため種類を特定することはとても困難です。





デンドロビュームの場合、一般家庭では春頃から発生が見られますが、温室栽培の場合は1年中発生が見られます。そして、各生育ステージごとに被害が生じます。

葉への発生ではハダニ同様に吸汁して葉の組織を傷つけます。

大量発生すると葉の裏が白っぽくなって来ます。



ひどい場合は葉の表面にまで加害痕が見られるようになります。柔らかい新芽では褐色に変化したり、萎縮したりします。花への発生ではシミができたり、蕾の時に吸汁されると花に奇形をもたらすことも。

何よりもスリップスによる被害は吸汁害だけではなく、ウイルス病の媒介者としても注意が必要です。

防除について
一般家庭では発生初期、動きの鈍い幼虫や蛹、成虫であっても少量の発生であれば湿らせたティッシュで拭き取ったほうが確実に駆除できます。
高温乾燥を好みますので夏場の発生時には葉裏へ水をかけることで湿度を高め、発生密度を減らす効果も期待出来ます。

幼虫は


ホームセンター、園芸店などで比較的入手しやすい殺虫剤を記載しておきます。
オルトラン粒剤、モスピラン水溶剤、オルトラン水和剤、スミチオン乳剤など。

スリップスの種類や発生地域によっても殺虫効果は異なりますし、薬剤抵抗性がつきやすいとも言われますので農薬の選択使用には十分注意します。