政津農場で育てているバニラですが、「自宅で育てられないか?」とか「苗を売ってください」という問い合わせまできました。
バニラはどちらかというと甘い香りの実ばかりに注目しがちですが、バニラの植物としての特性にもちょっと注目してみます。
バニラ vanilla (学名 Vanilla planifolia)
あまり知られていませんが実はラン科植物です。
下の写真は政津農場に生えているバニラの木ですが、高さ、幅とも4メートルを超える大株になりましたが、ここまでに10年かかっています。
メキシコ、中央アメリカが原産で実際の作物としてのバニラの栽培地域もほとんどが熱帯地域に限られています。
そのため、日本で一般家庭で育てようとする場合は冬の温度が大変気になりますね。
栽培には冬期に10から15度程度保つ必要があるそうですから、そのつもりで、管理しないと冬に枯らしてしまう確立は高そうです。
しかも高温多湿を好むために、いくら暖房をかけて温度を保っていても、お部屋が乾燥しすぎていてはバニラ向きの環境ではありません。
観葉植物として、ネット販売もされているようですが、このあたりのことを認識した上で購入されたほうが良いでしょう。
中には2、3年で開花、 7、8年で成熟すると書かれている資料もありますが、ここの温室では植えてから7年経ってからやっと花が咲きだしました。冬の夜温は16度以上は保てているのですが。
このことから、葉の緑を楽しむだけでなく、花や実をつけようと思う方は3年以上は葉っぱだけで辛抱する必要があるかもしれません。
さて、上手く育てることができれば開花、受粉、結実が次の目標になります。
バニラビーンズのイメージばかりでバニラの花を知らない方もいるのではないでしょうか。それは薄グリーンのとても綺麗な花です。ランの花の特徴が感じられます。
しかし、花の寿命は短く、午前中に満開になると お昼には萎れてきます。
わずか一日のみの開花です。この僅かなタイミングで受粉させてバニラビーンズを実らせるのです。
では、バニラの実、バニラビーンズの収穫のためにはどのような作業が必要なのでしょうか?
ただ、花粉をめしべにつけてやるだけなのですが、これがなかなか難しいのです。
花の寿命もたった一日で、朝開花してお昼には萎んでしまうため、慣れるまではバニラの受粉は意外に難しいもので、失敗の連続でした。
詳しくは下記リンクを参照ください。
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2011/05/blog-post_20.html
このあとは半年以上、成熟をさせてから、収穫、加工となるのです。此処から先の工程はまだ経験がありませんので、いずれご報告させて頂きます。
いかがでしょうか、栽培に適した環境が整えられるという方はチャレンジしても良いのではないでしょうか。
次回は更に詳しくバニラの植物としての性質、細部を見てみましょう。そして実際の増やし方なども解説してみます。
バニラの購入はこちらから
バニラはどちらかというと甘い香りの実ばかりに注目しがちですが、バニラの植物としての特性にもちょっと注目してみます。
バニラ vanilla (学名 Vanilla planifolia)
あまり知られていませんが実はラン科植物です。
下の写真は政津農場に生えているバニラの木ですが、高さ、幅とも4メートルを超える大株になりましたが、ここまでに10年かかっています。
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高さ4メートルを超える大株です。 |
メキシコ、中央アメリカが原産で実際の作物としてのバニラの栽培地域もほとんどが熱帯地域に限られています。
そのため、日本で一般家庭で育てようとする場合は冬の温度が大変気になりますね。
栽培には冬期に10から15度程度保つ必要があるそうですから、そのつもりで、管理しないと冬に枯らしてしまう確立は高そうです。
しかも高温多湿を好むために、いくら暖房をかけて温度を保っていても、お部屋が乾燥しすぎていてはバニラ向きの環境ではありません。
観葉植物として、ネット販売もされているようですが、このあたりのことを認識した上で購入されたほうが良いでしょう。
このことから、葉の緑を楽しむだけでなく、花や実をつけようと思う方は3年以上は葉っぱだけで辛抱する必要があるかもしれません。
さて、上手く育てることができれば開花、受粉、結実が次の目標になります。
バニラビーンズのイメージばかりでバニラの花を知らない方もいるのではないでしょうか。それは薄グリーンのとても綺麗な花です。ランの花の特徴が感じられます。
しかし、花の寿命は短く、午前中に満開になると お昼には萎れてきます。
わずか一日のみの開花です。この僅かなタイミングで受粉させてバニラビーンズを実らせるのです。
![]() |
バニラの花 |
では、バニラの実、バニラビーンズの収穫のためにはどのような作業が必要なのでしょうか?
ただ、花粉をめしべにつけてやるだけなのですが、これがなかなか難しいのです。
花の寿命もたった一日で、朝開花してお昼には萎んでしまうため、慣れるまではバニラの受粉は意外に難しいもので、失敗の連続でした。
詳しくは下記リンクを参照ください。
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2011/05/blog-post_20.html
![]() |
受粉後1ヶ月たった様子 |
このあとは半年以上、成熟をさせてから、収穫、加工となるのです。此処から先の工程はまだ経験がありませんので、いずれご報告させて頂きます。
いかがでしょうか、栽培に適した環境が整えられるという方はチャレンジしても良いのではないでしょうか。
次回は更に詳しくバニラの植物としての性質、細部を見てみましょう。そして実際の増やし方なども解説してみます。
バニラの購入はこちらから
7 件のコメント:
はじめまして。
バニラの育て方を勉強しています。
花をつけるために木の先端をちぎるのはいつごろですか?
コメントありがとうございます。
弊園では開花の半年前を目安に茎の先端をカットしてやります。そうすると記事の中にあるようにカットした部分の脇から花芽がでてきます。
時期的には秋にカットして翌春に開花という状況です。
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
お礼が遅くなってすみません。
ビーンズを収穫するための肥料は、蘭のものでよいのでしょうか?
花用と野菜用との違いは解らないので教えて下さい。
春から夏の生育期にマグアンプなどの緩効性肥料を1回与えるか、ハイポネックスなどの液体肥料をこの期間に2週間に1回程度与えます。それ以外には必要ありません。
ホームセンターの園芸コーナーなどで手に入ります。
よろしくお願い致します。
丁寧な回答ありがとうございます。勉強になります。
これからもYamamotoさんのブログを参考に、
バニラビーンズ収穫に向けて勉強していきたいと思います。
また質問した際はよろしくお願いします。
こんにちは
バニラを室内で育ててます。
日光が当たらない部屋なので室内の蛍光灯、18℃前後を保った環境で育ててます。
最近、一番下のしっかりした葉っぱが全体的に黄色くなって来ました。
どのような原因が考えられますか?
また、このままの環境で大丈夫でしょうか?
水分は土の表面が乾いて来たらあげるようにしていて、霧吹きで全体にも加水しています。
お時間があるときでいいのでお教えください
お問い合わせありがとうございます。
栽培環境によって考えられる要因が異なりますが、
一般的に考えられるのは、室内栽培であれば室内のエアコンによる空気の乾燥や過度の水やりによる根痛みなど。
また保温しているとはいえ春から夏の生育期とは違い植物の活動も鈍る時期です。古い葉の黄変や落葉はあってもおかしくはありません。
日当たり、通風を好む植物ですから、室内の蛍光灯のみの環境は必ずしもバニラにとって良い場所でないことは覚えておいたほうが良いでしょう。
ただ、全体の葉が黄変してきているのであれば心配ですが、現状最下部の1枚のみであれば
それほど心配されなくとも良いのでは無いでしょうか?
可能であれば、窓辺の明るい場所へ移してやるなど、環境を変えてみてはいかがでしょうか。春になれば新芽が伸びて来ますし、古い葉の黄変など気にならなくなると思います。
よろしくお願い致します。
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