Apr 5, 2011

栽培温室の様子20110405


4月の栽培温室の様子です。

いつも月の初めに育苗温室である政津農場の様子を紹介しています。
先月の様子はコチラ
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2011/03/20110306.html



先月と同じ政津農場の同じ温室、同じ育苗棚の様子です。
品種は同じくスイートピンキー‘モモコ’です。





新芽の大きさは、株元からは30センチを超え、先月よりさらに新しい葉が2から3枚ほど展開しています。 この時期は日に日に生長するのがわかります。
栽培管理として、先月と違うところは、新芽に支柱が立てられていることです。



ノビル系デンドロビュームは生長と共に茎が肥大し、大きく伸びるため自立するのが難しくなり次第に前傾して倒れてしまいます。着生ランですから、それが自然の姿ではありますが、より立派なバルブ(茎)で良い花を咲かせるためには、株元まで光線を当てて、丈夫なバルブ(茎)をつくる必要があります。そのためにも、支柱で支える作業は重要です。

放っておいても結構自立していますが、早いうちからの対応で、その後の生育に大きく影響があります。

このように周囲に余裕がない栽培環境では、支柱の支えがない場合、株元、根元付近への日当たりは期待できません。
実はデンドロビュームの葉の一枚一枚がそれぞれの包み込んだ茎の1節の生長を担当していて、株元が日当たりが悪ければ、頼りないひょろっとした茎になってしまいます。

下の写真のように部分的に光線が当たっただけでは健全な生長が期待できません。





新芽の生育初期に光線に当ててやることは重要で、支柱を立てることですべての葉面に光線が当たりやすくなり、根元近くまで茎の肥大が期待できます。




密集した中ほどの株であっても根元付近まで日が差し込みますので、栽培環境も改善されて、良い生育が期待できます。



根の量も増えてきました。新しい根が次々とポットの中に伸びてゆきます。





4月に入り、春の陽気で気温が上がり、温室内は30度を超えることも。
頻繁に天窓が開閉し、空気が入れ替わります。
これは、風通しを好むデンドロビュームにとっては、 大変好ましい環境で、これから益々デンドロビュームの生長が楽しみな季節になりました。



また、この頃になると灌水の頻度も多くなり、葉の病気の発生に気をつける必要があります。
予防を兼ねた定期的な殺菌剤の散布は、何万株も大量生産される栽培温室では、どうしても必要な作業になります。

皆様の元にはこのように葉に農薬散布の後のある苗が届く場合があるかも知れませんがどうかご容赦ください。
白く葉に残るのはダイセン水和剤によるものです。斑点病、灰色かび病、疫病などに予防効果があります。
殺菌剤散布の痕

一般家庭では栽培環境を整えることで、多くの病気は予防できると思います。
室内管理の場合は、なるべくお部屋で農薬散布はしたくないものです。
しかし、暖かくなり、戸外で管理するようになると、雨風にさらされ、どうしても病気の発生があります。そのような時は早めの予防が効果を生みます。





来月も順調な生育を見せてくれると思います。