Dec 2, 2010

栽培温室では来シーズンに備えています

12月に入り、花屋の店頭やホームセンターにもデンドロビュームを見かけるようになりました。

寒さに強く、花が長く楽しめるため人気のあるデンドロビュームはこれから春までが開花シーズンです。山本デンドロビューム園でも先日から本格的に開花が始まり、集荷作業が本格化してきました。



そんな中、栽培温室では次期シーズンに備えた苗の管理が始まっています。


すべて2011年の年末開花見込みの株
 
上の 写真の苗は来年のギフト向け品種スイートピンキー‘モモコ’です。
今はまだ、30センチ程度の小さな株ですが、この冬に新芽をスタートさせ、順調に成長すれば、来年の12月には鉢物になる予定です。


粉末の油かすを水で溶いて施肥

肥料の油粕をすべての鉢に施し、水で溶かします。新芽をスタートさせ、生長を勢いづかせるための重要な役割を果たします。

株元に新芽の膨らみが見える

早い品種は既に新芽が顔をのぞかせています。これが来年の夏までに成長して大きな鉢物になっていくのです。

花付きの良い品種の中には、低温処理をしなくとも花芽が上がってくるため、これをすべて芽かきしてやります。そのままにして咲かせてしまうと、養分を取られてしまい、新芽の成長を妨げることになるからです。


芽かきされた株

決して、ナメクジに食べられているわけではありません。花芽を見つけ次第、芽かきします。
勿体ないと思われるかも知れませんが、この作業を怠ると 温室内が一面お花畑になり手が付けられなくなってしまいます。


米粒大に膨らんだ直後が取りやすい


温室内の温度は日中は30度近くに保たれ、 新芽の生長を後押しします。夜間も暖房機により最低温度約18度で管理されています。

天窓自動開閉装置により温度は管理されます

クリスマスやお歳暮時期に店頭に並ぶデンドロビュームは、このような1年も前からの計画的な肥培管理によって開花が可能になるのです。