Dec 5, 2010

デンドロビュームの開花鉢の選び方

デンドロビュームの開花案内を告知して最初の日曜日でした。
地元の新聞の広告の効果もあって、山本デンドロビューム園の温室に多くのお客様がみえられました。

初めていらっしゃる方も多く、デンドロビュームの事をよく知らない方もいらっしゃいます。
開花温室内にあるものは、どれでも好きなのを選んでいただいて結構ですよと申し上げると、必ずと言っていいほど温室の奥の方から、蕾のたくさん付いた鉢を手にしたお客様がいらっしゃいます。

蕾をつけたシーマリー‘スノーキング’

蕾をつけたコメットキング‘アカツキ’

いかにも、これからどんどん咲いて来るようで、良い鉢のような気がしますね。

気持ちはとても良くわかるのですが、しかし、これはあまりお奨めできません。
デンドロビュームが咲き始めてから花弁が十分に開いて本来の大きさになるまでには一定の温度と湿度と光線が必要です。
つぼみや、7分咲きの鉢を買い求めて、ご自宅で暖房した温かい部屋に置いても、温度や湿度などの環境が急に変わるので場合によっては、花がうまく開かないことがあります。
適正な温度、湿度を保ち開花させる温室と似たような環境を自宅のヒーターやエアコンで再現する事はできません。
たとえ開いたとしても、花弁は柔らかく、貧弱で小さな花になることもあり、花保ちも悪くなります。

12月から2月下旬頃までの寒い時期に弊園の開花温室でデンドロビュームを選んでいただく場合、なるべくよく花の開いたもの、満開状態のものを選んでいただくようにしています。

注文を受け、持ち帰りのためにラッピングされるシーマリー‘スノーキング’

このように満開でよく開いた鉢はなるべく温度の低い場所(5℃~10℃)に置きます。そうするとたいへん花が長持ちし、長期間楽しむことが出来ます。

暖房器具の近くなど、高温で乾燥しやすい場所では花も早く終わってしまいます。


また、一般のお店で花を選ぶ場合に気をつけたいのは花屋、ホームセンターの店頭においてはその商品がいつ仕入れられたものかわからないため、お店の人によく訪ねて、新しいものを選ぶ必要があります。
またお店によってはデンドロビュームに限らず洋ラン全般の扱いに慣れていない場合もあるようですので、信頼におけるお店で購入することも大事なポイントです。

同じく、十分に開花したスイートピンキー‘モモコ’

山本デンドロビューム園では宅配を依頼された場合も、ご注文を受けてから一番良い状態の鉢を選抜します。
お届け後は暖房のないお部屋で管理していただくことで、より長く花を楽しむことが出来ます。

花が隙間なく密に咲き見栄えがします


ただし、3月以降に購入する場合は、つぼみや七分咲きであっても大丈夫です。
外気温も高く、一般家庭でも自然に近い状態で開花してきますので、失敗は少ないでしょう。