Jan 4, 2011

デンドロビュームの1月の管理

寒さが一段と厳しさを増す季節になりました。温室やフレームの中で加温されている株はつぼみが膨らみ早い品種は開花し始めるものもあり、洋らんファンには楽しみな時期となっていることと思います。
一方で、一般家庭での無加温栽培においては休眠期に入った状態であるため、花芽や新芽の動きはあまり見られません。
しかし、管理する状況、温度や光線の違いによっては各家庭の花芽の生育に違いが出てくるのもこの頃です。

日中の光線や夜の室温のわずかな違いで開花時期や、新芽の出る時期に大きく影響してきます。


デンドロビュームの1月の管理を簡単にまとめてみました。




置き場所に付いて


休眠期間ではありますが日光には出来るだけ当てるよう心がけます。
太陽光線がよく当たる南か東に面した縁側や窓辺などが適当な場所といえます。
こうすることで日中の温度を高く保つことが出来、日照時間をわずかでも長く確保してやることが出来ます。

デンドロビュームの置き場所
日中は明るい場所へ


深夜から明け方にかけては、5度から6度以上の温度が確保できるのであれば、そのまま同じ場所でも構いませんが、カーテンを閉めたり、窓辺から少し離すなどの気配りをすることで多少温度を高く保つ工夫も必要です。夜間の管理のための少し暖かい場所が確保できるようであれば、夜間だけ移動したり、外の気温がマイナスが予想されるような寒い夜はダンボールや発泡スチロールの箱などで覆いをすることもアイデアのひとつでしょう。

暖房のある部屋で管理すると、極端な乾燥や高温で葉を落としたり、花芽が黄変したりする恐れがありますので注意が必要です。加えて、昼も夜も高い温度で管理すると開花は早まりますが、品種本来の開花サイズでなく小さな花になったり、良い色で咲かない場合もあります。
また乾燥を防ぐため加湿器などで加湿されている場合も夜間、人がいない時に暖房が切られ、低温多湿になった場合には花芽やつぼみにシミが出たり、黄変する恐れがあります。

以下のリンクも参考になさって下さい。

開花時の環境に注意します
http://yamamotodendrobiums.blogspot.jp/2011/02/blog-post_15.html


室内に取り込んでから着実に花芽は成長しています



やや黄色くなり、心配な花芽



わずかな温度の違いでも花芽の生長に差が出ます



※冬期の室内での管理には高温乾燥、低温多湿の両方に注意が必要です。

デンドロビュームの原産地はタイ、ミャンマー、インドなどの北部の海抜1000メートル以上の高冷地であり、熱帯とはいえ冬期は夜間温度が5から6度くら いの低温になることがあります。したがって、低温には比較的強く、乾燥気味に管理すれば最低0度くらいまでも耐えるほどの耐寒性を備えています。
一般の栽培においては5度から6度以上の株に負担のない温度で越冬させるのが理想的でしょう。

また、ある程度、栽培経験を積むまでは、早く開花させようと無理な温度での管理は避けて安定した温度変化の方が株に負担もなく管理も楽で、失敗も少ないでしょう。


光線について


デンドロビュームは数多い洋ランの中でも、特に日光を好む種属であり、冬季も屋内でしっかりと光線を当てるよう気を配ります。

外気温が低いので1月、2月は窓辺が高温になる心配はそれほどないと思われますが、レースのカーテンなどを利用したり、窓を開け風を取り入れたりして、極端な高温に注意をします。
花芽が付いている場合はせっかくの花芽が高温や強光線でだめになることもありますので特に注意します。




水やりについて


冬期の栽培で失敗する原因のほとんどが低温時の水やりが多すぎることです。
管理している場所の夜間の最低温度が10度以下になるような場合は、植物体がほとんど水を要求していないので、鉢内は水やり時以外はほとんど乾燥している状態が望ましいです。
完全に休眠期に入っていますので、乾燥気味の管理になります。
極端に乾いてくると茎(バルブ)が萎びてくることがあります。この場合も慌てることなく、その後の天候をよく見て好天が続くようであれば、よく晴れた暖かい日の午前中に、鉢の中が少し湿る程度の軽い水やりを行ない、夕方までには乾くようにします。
天気が悪く、鉢の中が乾かず、低温時の過湿状態が続くようであれば根腐れの原因となり、花芽が黄変して落ちたり、春以降の新芽の生育に悪影響を及ぼします。



根を痛め、せっかくの花芽が黄変しています


夜間の最低温度が10℃以下に下がるようであれば、7~10日に1回程度とします。

※最近の機密性の高い住宅、マンションでは10℃以下に室温が下がらない場合が多いと思います。 乾き具合に応じて水やりの間隔を調整してください。


わずかな茎(バルブ)の皺で慌てることはありません



デンドロビュームは茎の中に水分と養分を十分に貯えていますので、少々の乾燥では枯死することはありません。しかし水をやり過ぎて鉢の中が湿ったままで夜を迎えると低温で根を痛めたり、葉を落としたり、最悪の場合、枯死する恐れもありますので注意をしましょう。





肥料について


この時期デンドロビュームは休眠期であり、温度の低い場所での管理には、全ての苗において施肥の必要はありません。




病害虫について


無加温栽培の場合、水やりも減り、葉の病気の心配もほとんどありません。



デンドロビュームの鉢物を購入した場合の管理  


詳しくはコチラ→デンドロビュームの鉢物の管理方法

置き場所

夜間の温度が5度から10度くらいの場所に置くのが最適です。
日光浴も必要なく、日当りのよい場所は花が早く終わることになります。

暖房器具の近くやエアコンの風が直接当たるような場所は花の寿命がたいへん短くなります。
一般のご家庭では玄関の靴箱の上のような暖房器具の高温、乾燥に影響されないような場所が理想的です。



開花中の水やり

5度から10度くらいの温度の低い場所に置くことで、ほとんど水を必要としません。
7から10日に一回程度、鉢の上部がわずかに湿る程度の水をやります。
水やりは晴れた日の暖かい午前中を選び、夕方までには乾き切る程度のごくわずかな量を与えるようにします。
低温時に多量の水やりを行うと、植え込み材料が乾かず、湿った状態で夜間に冷え込めば、一夜にして根が傷み、花も早く終わってしまいます。