Dec 7, 2010

試験栽培を何度も繰り返します

写真のデンドロビュームは今期試験栽培中の品種のうちのひとつです。


試験栽培中のデンドロビューム

Den.Lucky Red x Den.Grand Smile
赤い花弁と黄色の豊大なリップが美しいですね。バルブを覆い隠すほどの大輪花は豪華であり、将来のギフト向け赤系デンドロビュームとして期待が膨らみます。
年末開花の早咲き種のようです。

今はまだ、花付きの確認や適正な開花時期の調査の段階であって、品種特性を把握するための開花になります。鉢物商品としての開花ではありません。

Den.Lucky Red x Den.Grand Smile



Den.Lucky Red x Den.Grand Smile

実生初花が咲いた後、これはと言う品種は選抜され、メリクロン増殖により、数百株単位で増殖します。
さらに、増殖したものを開花サイズにまで生育させて、実際の生産と同様に栽培、仕立て、開花させるわけですが、この段階でも既に5年以上の長い年月を要しています。

この品種が大鉢、中鉢、小鉢などどのような仕立てに向いているか、開花期としていつが適切であるかなど実際の生産の場合と同様に鉢物に仕立てて見ないとわからないことが多くあるからです。




新しいデンドロビュームが商品として実際に販売されるまで、世に出るまではずいぶんと時間がかかります。
こうして、栽培、開花を繰り返し、新品種として十分にその素質の認められるものだけが苗として本格的に生産され商品として流通していくのです。
実生初花を選抜してから実に10から15年以上かかることになります。