Sep 6, 2011

止め葉が出てきたら

今朝の岡山市は最低気温が20度を切る肌寒い朝でした。


温室の温度計は18.5度



急な温度変化に慌てる必要はありませんが、季節は徐々に秋へと移っています。
デンドロビュームの管理も秋の管理へと徐々に変更してやりましょう。


ご自宅のデンドロビュームにもそろそろ止め葉の出る頃ではないでしょうか。

止め葉とはバルブ(茎)の最上部に生じる葉のことで、止め葉が出るとバルブの伸長もほぼ終わり、充実を始めます。

夏を過ぎ、止め葉が確認できる頃になると、新芽の成長の著しい夏と違いそれほど水を必要としません。バルブを充実させるための水分が足りていればそれで充分なのです。

しかし、日中の暑さに惑わされて、ついつい真夏と同じ感覚で水やりを続けていると、いつの間にか水やりが過度になり根を腐らせることになります。

止め葉の出る頃を水やりの加減の判断材料にすることも大切です。
デンドロビュームの止め葉を見てみましょう。


下の写真のバルブの最上部に付いている葉はすべて止め葉です。


これは非常にわかりやすく、バルブはほぼ完成形に近いです。ずんぐりと太った茎頂に付いているのが止め葉です。
止め葉が最初に確認できてからは、既に数週間立っています。






こちら、茎の先はまだ細いですが、右上の葉が止め葉です。これ以上は丈は伸びません。あとはバルブが太るのみとなります。







数枚の葉が上部で重なりあっていますが、右上の葉が止め葉です。これ以降は新しい葉は出てきません。重なった葉の枚数分はまだ節間が伸びますが、約5~6センチほど伸びたところでバルブは完成します。



9月以降であれば、バルブが完成して丸く太るよりも前に早めの判断で、水やりには慎重になったほうが失敗しなくてよいのです。


加えて、止め葉が出る時期になると根の伸張も鈍ってきますので、思ったほど鉢の中が乾きません。一旦、根を痛めると回復は非常に困難です。


その結果、高芽になったり、来春の開花シーズンまでに新たな根を伸ばすことも出来ないため、開花時に花付きが悪かったり、花が小さかったりと言う影響があります。















根の状態は、鉢の表面からはなかなか判断がしにくいものです。
そういう時には鉢を抜いてみて中の様子を見てみるのも良いでしょう。
健全な白い根が見れたなら、安心ですが、少し黒かったり、カビが生えていたり、前回の水遣りから日にちが経っているにもかかわらず、湿ったままであれば根痛みを疑う必要があります。


下の写真はは水やりがうまくいっていない根の様子です。


ところどころに新しい白い根も見られますが、ほとんどの根が黒ずんでいます。
完全に死んだ根ではありませんが、この状態が長く続くと、春から伸びた根がすべて死んでだめになります。



このような場合、風通しの良い場所で、水やりの間隔をあけたり、水やりの量を減らすなど、これまでよりも乾かし気味の管理に変えてやる必要があります。




生育も最終段階です。良いバルブ、良い根を育てましょう。