Sep 25, 2011

温度計について

最近の山上げ関係の記事の中で気温に関すること、温度計についてよく取り上げています。

そのためでしょうか、温度計についての問い合わせをいただきました。
趣味で栽培されているのであれば、気温は栽培管理の判断材料にもなります。1つは備えておきたいところです。
そこで、弊社でデンドロビュームの栽培に使用している温度計について書いてみます。



まず、最高最低温度計です。
最高最低温度計は最高温度と最低温度をはかるための温度計です。名前のとおりですね。 

普通の温度計と違うのは、この温度計は一定時間内の最高温度・最低温度を記録できるのです。




画像に沿って説明します。左右の水銀柱の位置は違いますが示している温度は同じです。
ガラス管の中、左右の水銀柱の上にはそれぞれ青い指示棒が見えます。
この青い棒の示す位置が最高気温と最低気温を示してくれます。

右は最高気温、左は最低気温が測れます

右側の水銀の位置を見て下さい。この状態から気温が上がれば、右の水銀柱は上がり青い棒を押し上 げます。押し上げたところが最高気温を示します。
逆に気温が下がった場合、今度は左の水銀柱が上がり、青い棒を押し上げますその位置が最低気温を示すわけです。
押し上げられた青い棒はその位置で留まるため。最高温度、最低温度がそれぞれわかります。青い棒は付属の磁石で水銀の位置(現在温度)まで戻してやれば再び測定しなおすことができます。

デンドロビュームの栽培では前日の夕方に指示棒の位置を水銀に合わせておけば、翌朝、 夜間の最低気温を確認することができます。





さて、以下に紹介するものは、ご家庭での栽培においては特別必要ありません。あくまでも参考までにご紹介します。営利栽培用には大変重宝するものです。

まず、データロガーとも呼ばれる温湿度記憶計です。
温湿度のデータをセンサー部分で常時計測し、この小さな機械本体に記憶します。
その後パソコンへデータ転送し、詳細な温度データを確認することができるため大変便利です。

弊社では佐藤計量器製作所の記憶計を使用しています。

データロガー記憶計



蓄積したデータの比較も付属ソフト上で容易に出来るため、栽培に大いに役立ちます。



また、随分以前はこのようにドラムが回転して実際にペン軸が記録用紙にグラフを記載する温湿度計も使用していました。


現在は使用していません


これは自記記録計といい、温度・湿度の変化を記録用紙に書いていくものです。
1日、1週間、31日間あるいは62日間でドラムが1周するよう設定できます。

湿度を測るセンサー部分は実は特殊な処理をされた馬の毛や女性の毛髪が使われているそうです。






一般家庭での栽培の場合、高価なものでなくて構いませんが、最初にご紹介した最高最低温度計を一つは常備しておきたいものです。
この最高最低温度計がひとつあれば、デンドロビュームの性質や生理的根拠に基づいた栽培管理ができます。

わかり易い例では、特にこれから秋口の冷え込みの始まりには室内に取り込むかどうかの判断にも役立ちます。
また、低温に当たった回数をカウントするにも役立ちます。ホームセンターで安く購入できますので、一度ご覧になってください。