Jan 24, 2012

実生が開花してきました

今年もやっと実生初花の開花する季節になりました。
昨年よりも1週間ほど遅い開花です。


開花の具合もまだまだで、全体の7割程度でしょうか。



これらのデンドロビュームは5年前に品種改良のために交配され、結実、播種、そして苗として生育した後にやっと開花したものです。
この実生苗の成長の様子は種子からの生長 のカテゴリーで御覧いただけます。実生の生育状況を播種の時から定期的に追跡リポートしていますので、詳細はそちらもご覧ください。
 



そして、研究温室の中で実生初花の開花と共に重要な部分がこちら。
交配親として大量に保存されている貴重なデンドロビュームの数々。



交配に使用される親株には有名な個体やメダルを獲得するような優秀な個体も当然含まれますが、過去に多くの入賞花などの優秀な個体を生み出した交配親自身は必ずしも、名の知れた個体ばかりではありません。

むしろ、影の実力者、または功労者的な役割の個体である場合も多いのです。

50年以上ノビルタイプデンドロビュームの育種改良を続け、選抜を繰り返してきた山本デンドロビューム園の研究温室には、このように無名であっても、世界最高水準のデンドロビュームがひしめいているのです。





ご覧のように、大切な株はすべて水苔と素焼き鉢で植えられています。







製品として活躍することはありませんが、交配親として優秀な子孫を残す役割のデンドロビュームたちです。
このような機会でもなければ紹介されることはないでしょう。



長年活躍する個体もあれば、何年か後には交配親の座を次の世代に引き継ぐ個体もあり、その運命も様々です。




今年、ここで交配されても、花を見るのは5年後のこと。
とても気の長い作業なのです。