Mar 22, 2012

植替えが待ちきれない人のために...

 3月も下旬になり、日中は随分暖かくなりました。

今日も栽培の問い合わせの電話が掛かってきます。
この時期は植替えの問い合わせが殆どです。
大抵は年配の方が弊社のパテントラベルに記載の電話番号を頼りに、お電話をくださるようです。
パテント品種の場合は実際は栽培契約を交わした全国のデンドロ生産農家の方が栽培、出荷されていますが、ラベルに書かれた弊社を栽培、出荷元と思われるようです。


その植替えですが、花が済んだら即植替えのイメージを持たれているのでしょうか。
早く植えないといけないと焦っているような内容のお電話をいただきますが、そんなに慌てなくとも平気です。

例えこのように鉢の外に根が溢れていても全く慌てる必要はありません。着生ランのデンドロビュームにとっては珍しいことではありません。



鉢の外に根が溢れていても全く慌てる必要はありません


新芽がこんなに大きく伸びていても構いません。





仮に植替えを急いだとしましょう。
植替え直後の株は直射光を避け、水や肥料を控え気味にして根を養生させる必要がありますが、これは根の伸長や新芽の生育に大きくブレーキをかけるようなものです。
健全でスムーズな生長を妨げることになります。

それならばむしろ、植え替え前までにしっかりと施肥を行い、新芽に十分な勢いをつけてから植替えに取り掛かっても良いのではないでしょうか。


このように蕾が付いていれば花を楽しんでからでも遅くはありません。開花中に即効性の高い液肥などを施しておくと良いでしょう。



そういうわけで、最低気温も10度以上を示すようなら、春の生育期の管理は、まずは肥料やりからスタートしましょう。

それまでの間にちょっと落ち着いて、以下のリンクからデンドロビュームの植え替えの基本を確認しておきましょう。植え替えは慌てて行わなくても構いません。
鉢や植えこみ材料などは、ゆっくりと準備すれば良いのです。


植え替えの時期

夜間の最低温度が12~13℃以上になってから、4月から6月にかけてが最適です。花が咲いている場合は花が終わってからにします。



準備するもの
植え替えが必要かどうかを見極めます。植え替え時に使用する植え込み材料は、ヤシガラ、水苔のどちらでも構いません。

 
水苔植え場合  
保水力のある水苔には通気性の良い素焼き鉢が最適です。一度水で湿らせ、軽くしぼってから使用します。


ヤシガラで植える場合
通気性の良い、乾きやすいヤシガラを使うときは鉢の方を乾きにくい素材の陶器鉢かプラスチック鉢にしてやると良いでしょう。
 



バークで植える場合
水苔植えやベラボン(ヤシガラ)植えに比べて、水はけが極端に良すぎるので、乾き過ぎへの注意が必要です。




では頑張ってみてください。