Jun 3, 2011

植え込み材料の選択

6月は生育の最盛期で、植え替えに肥料やりに一番忙しい時期だと思います。

この時期の問合せで一番多いのが植え替えに関する質問です。
デンドロビュームの植え替えには何を使ったらいいのか迷われるビギナーの方が多いようです。


今日は植え込み材料について投稿してみます。
ホームセンターには様々な用土が販売されており、各植物専用の用土もあるようで、「洋ランの土」などと書かれていると対象となる洋ランが何かを確認しないで、ついつい買ってしまいそうなものまであります。

デンドロビュームの場合は基本的な植え込み材として水苔、ヤシガラ、バークの3点のみを覚えておくと良いでしょう。

それぞれの特徴と管理の違いを書いておきます。
※ここでの記載はデンドロビュームについての記載です。その他のラン類には当てはまらない場合がありますので注意してください。

水苔
植え替えには素焼き鉢を使用します。
洋ラン全般に最も相性のよい植え込み材料ですが、他の材料に比べて若干価格が高い。
水苔そのものに微量の養分が含まれているため、根の活着、生育が良い。
年数が経つと繊維が崩れ、劣化しやすいため植え替えの頻度が高くなります。
水の浸透が不規則にならないよう、均一な硬さに植える必要があります。
詳しくは
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2011/04/blog-post_16.html

 写真は弊園のもの。大切な親株や保存株などは水苔と素焼き鉢で植えています。





ヤシガラ
植え替えには陶器鉢かプラ鉢を使用します。
ココナッツを粉砕した繊維質の植え込み材料です。 店頭に並ぶデンドロビュームの大半で使用されています。
価格が安く使い勝手が良いが、一部の園芸店、ホームセンター等では扱っていない場合も。
まだ一般的なコンポストではない。
詳しくは
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2011/04/blog-post_14.html

写真は弊園のもの。
通常の栽培にはヤシガラ(ベラボン)を使用。
苗の世代ではビニールポット、鉢物の製品段階では陶器鉢を使用でして植えてやります。
年間10万本以上の植え込みや3万鉢の鉢もの出荷で使用する量は水苔では採算が合わないのと、植え替え時の扱いやすさからヤシガラ使用しています。





バーク
植え替えには陶器鉢かプラ鉢を使用します。
サイズの小さなものを選んで、少し固いくらいに植えます。
非常に水はけが良く、通気性に優れているため、根腐れの心配が少ない。
水やりで失敗を繰り返す人には向いているかも知れません。
弾力性のない硬い樹皮が原料なので、鉢の中が締まらず、株が安定しにくい。
保水性に乏しく、肥料保ちも悪いため、生育に差が出やすい、などの欠点もあります。
詳しくは
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2011/05/blog-post_25.html




以上はそれぞれの特性を述べたものであり、あくまでも参考にお考えください。

いずれかの優劣を決めるものではありません。

まずはデンドロビュームの特性を知ることで栽培の基本を身につけることが重要です。
そして、どれを使うかは皆さんの栽培環境や、実際に使用した感覚、購入のしやすさなどで決めていただくのが一番です。是非、自分にあった植え込み材を見つけましょう。