Nov 16, 2010

いったいどこまで伸びるのか

最近まであまり気にしていなかったのですが、保存株の中にずいぶんと大きく伸びた鉢が目に付いたので引っ張り出してみました。
今シーズン、弊園でもっともバルブ(茎)の伸びたと思われるデンドロビュームです。

ウィガニー(Den.Wiganiae)の保存株でした。
株元からは1メートル65センチありました。鉢底からだと1メートル80センチになります。
現状の高さなので支柱を立ててピンと伸ばせばもっとあるかも知れません。


ウィガニー(Den.Wiganiae)の保存株

ウィガニー(Den.Wiganiae)の保存株

Den.signatumとDen.nobileの原種同士の交配ですから、節間も長く、バルブ(茎)が伸張するのもうなずけますが、それにしても良く伸びました。ようやく止め葉も覗いてきたようです。
温室での加温栽培により、1月頃より新芽がスタートして伸び続けた結果です。


特に窒素肥料が過ぎたようにも思えませんが、ギフト向けの商品ほどには管理に気を使わないせいでしょうか。
株立ちが良すぎて支柱もままならず、鉢の周囲に支柱を立てて、囲っているだけの大雑把な管理なのです。
良くできた株で7年以上作り込んでいます、今年の春に3年振りくらいに植替えしました。


販売用の株やギフト用の鉢物の場合には、春先から窒素肥料を徐々に減らして止め葉の出る時期を調整するため、伸び過ぎて困るというようなことは起こりません。
山上げ栽培の必要な年末開花用の鉢物の場合は7月に止め葉が出ていないと歳暮シーズンの開花には間に合わないほどです。

高さの揃う必要のある鉢物の場合などは止め葉の遅い株の天頂の葉を芯抜きをして強制的に止め葉にしたりと高さに注意するのですが、研究保存株については特別な事はしていませんでした。




こちらはとなりのウィガニーにはおよびませんが保存株のホシムスメ‘ハート’です。
高さは1メートル程でした。
やっと止め葉が出たところなので茎の充実はこれからです。

ホシムスメ‘ハート’

止め葉が出たところ
このように大きく伸びると壮観ですが、花を咲かせるためにはあまり良くありません。
一般家庭の場合、いつまでも止め葉が出ることなく伸び続けると、株が充実する期間が足りないまま低温に当たってしまうことになり、花付きを悪くするのです。
開花株については8月上旬までで窒素分を含んだ肥料は打ち切るよう皆様にアドバイスするのもこのためです。


2010/08/06 肥料に注意!を参照してください。
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2010/08/blog-post_06.html