2015/04/17

植え替えは急ぎません

久しぶりに青空が戻った岡山市です。





4月に入って花後の植替えや苗の植え替えの問い合わせを多く頂きます。

丁度、冬に入手したデンドロビュームの鉢物の花が終わりを迎える時期なのでしょう。
花が済んだらすぐに植替えしなければならないと心配されてのようですが、決してそんなことはありません。まずは暖かい場所、明るい場所へ移してやり、生育期の管理のために環境を整えることから始めます。
花が終わったら(デンドロビュームの花後の管理)
http://yamamotodendrobiums.blogspot.jp/2011/01/blog-post_25.html

また、楽天ショップ等でご購入いただき、届いた苗をご覧になって問い合わせもかなりの数がございます。
大きく伸びた新芽やビニールポットから溢れた根の量に慌ててお電話頂くことも少なくありません。
しかしながら、そのような状況であっても全く慌てる必要はありません。着生ランのデンドロビュームにとっては大きな問題ではないのです。

実際に我々の栽培場においても、次のシーズンに商品となるデンドロビュームの植え替え作業は行っておりません。





このように大きく新芽が伸びていても構いません。鉢の外に根が溢れていても全く慌てる必要はないのです。





一般家庭では夜間の最低気温が10度以上を保てるなら、春の生育期の管理は、まずは肥料やりからスタートしましょう。
置き場所は日中明るくて温かい、風通しの良い窓辺が最適です。

植え替え作業は5月から6月の間に行えば大丈夫です。

無理をして植替えを急いだとしても、植替え直後の株は根が折れたり、ちぎれ、先端部が傷つきます。そのような株は直射光を避け、水や肥料を控え気味にして根を養生させる必要がありますが、これは根の伸長や新芽のスムーズな生育に大きくブレーキをかけるようなものです

それならばむしろ、植え替え前までにしっかりと施肥を行い、新芽に十分に伸びて勢いをつけてから植替えに取り掛かったほうが良い結果をもたらします。
根がよく張った株に、油粕を施せば見違えるような生育を見せてくれます。
デンドロビュームの肥料(油かす)
http://yamamotodendrobiums.blogspot.jp/2011/05/blog-post_17.html


実際に鉢から抜いて鉢の中の様子を見てみましょう。
この鉢は観察用に透明ポリポットに植えたあと黒いポットをかぶせています。



中はびっしりと張り巡らされた白い根で溢れています。この健康な根がたくさんあるからこそ、与えられた肥料分もしっかりと受け止め、吸収してくれるわけです。





またそのような管理で育てられた新芽の写真もご覧ください。
健全な根に適切なタイミングで肥料を施された株は驚くような生育を見せてくれます。





最終的なバルブの高さはこの新芽のスタート時に殆ど決まってしまいます。
効果的に施肥を施すことで大きく太い新芽をスタートさせ、その後の生長も後押しするのです。



植え替えを慌てること無く、事前に以下のリンクでデンドロビュームの植え替えの基本をよく確認しておきましょう。

デンドロビュームの植え替え
http://yamamotodendrobiums.blogspot.jp/p/blog-page_30.html