2011/06/28

YouTubeにチャンネルを開設しました

山本デンドロビューム園ではYouTubeにチャンネルを開設しています。

Yamamoto Dendrobiums@YouTube
http://www.youtube.com/YamamotoDendrobiums

既にFacebookページの方では告知させていただいていますが、まだコンテンツ不足で十分楽しんでいただける内容ではありませんが、今後、本チャンネルではデンドロビュームに関する情報を動画ならではの分かりやすさと臨場感を活かしてお伝えしていければと思っています。
開花時期の映像があると華やかでいいのですが、しばらくはお待ちいただくようお願いいたします。


さしあたって過去のビデオデータを利用して動画のアップを行っています。


 昨日のブログ内容に関連して、支柱立てに関する動画もアップしていますので、ブログ内容と合わせてご覧いただければ幸いです。



原産地の様子や海外農場の風景なども御覧いただけます。


 



こちらはハワイ農場の紹介ビデオ




皆様からのリクエストもありましたら遠慮なくお知らせください。
よろしくお願い致します。

2011/06/27

支柱で支えてやりましょう

デンドロビュームの茎(バルブ)は下部が細く上の部分が肥大するので、大きく伸びてくると自立するのは次第に難しくなってきます。



茎の重さで前方に傾いています


下垂性の品種やセッコク系統の小型品種は別にして、一般的なノビル系交配種は倒れたままにしておくと茎(バルブ)が湾曲し開花時に見栄えに影響があり、場合によっては折れてしまう心配があります。加えて、葉の表面に光線が当たりにくく、茎の充実にも影響があります。
そのような茎には支柱を立ててやる必要があります。



そこで、今回は支柱の立て方について投稿します。
案外簡単に思える支柱立てですが注意点も幾つかありますので、写真と共に説明したいと思います



まず支柱を挿す位置です。

株元のすぐそばは避けてやります。これは根元付近に太い根が集中しているため。それを切ってしまうと、そこから先に伸びている枝分かれしたすべての根が死んでしまうからです。デンドロビュームにとって根は大変重要です。

また、新芽や孫芽の出る側に立ててしまうと生長のじゃまになるので避けてやります。






次にビニタイの止め方です。
既に充実し、よく太りきった茎(バルブ)の場合は心配ないのですが、生育中の茎に支柱を立てる場合には余裕を持って縛ってやらないと、現状の茎の太さに合わせてしまうと、秋の茎の肥大で、ビニタイが食い込んでしまいます。







あまり細く縛ってしまうと、秋になってこのように茎にビニタイが食い込むことに。





また伸長中の茎にビニタイを止める場合には、支柱に結ぶ位置はこのように葉の上に乗せるのではなく、葉の裏になるべく近くなるようにしてやります。
これは茎が伸びてきて葉がめくれてしまうのを防ぐためです。






ただ丸い輪をつくって繋ぎ止めるのではなく、ビニタイを支柱に一度絡ませてから茎を留めてやると輪の位置が固定されて、生長の妨げにならなくて良いでしょう。。




 また、1箇所留めただけでは弓のように反ってしまう場合は、もう1箇所留めてやります。



まっすぐ、きれいに仕上がりました。



うまくいきましたか?
これでデンドロビュームは株元までしっかりと太陽の光線を浴びることが出来ます。
株元までよく太り、きっと良い生長を見せてくれると思います。

2011/06/26

Den. Asian Bride 'Fancy Bell'
アジアンブライド ‘ファンシーベル’

Den. Asian Bride 'Fancy Bell'

(Den. Santana x Den. Oriental Magic) 2009年 J.Yamamoto RHS登録

アジアンブライド ‘ファンシーベル’



Den. Asian Bride 'Fancy Bell'

光沢ある黄色の花弁の先に赤オレンジの美しい色彩の新品種。

花径4cmから5cm程度で花の大きさはそれほど大きくはありませんが、花付きは非常によく、さらに一花茎に3から4リン着花します。



Den. Asian Bride 'Fancy Bell'





Den. Asian Bride 'Fancy Bell'




交配親であるサンタナの花つきの良さに、オリエンタルマジック特有の色彩が見事に合わさった品種といえるでしょう。その結果、このような花いっぱいの鉢植えも可能になりました。




Den. Asian Bride 'Fancy Bell'


こちらは開花直後の様子です。花弁の色もまだ薄いピンクといったところでしょうか。
徐々に赤が強くなり、オレンジ色との複合色へと変化します。

Den. Asian Bride 'Fancy Bell'




アジアンブライド ‘ファンシーベル’ に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。



2011/06/25

ねじ花 Spiranthes sinensis

ねじ花という花をご存じですか?

野生ランの一種で、ピンクの小さな花が、螺旋(らせん)状に着花します。 
ですから名前が捩花(ねじばな)という訳です。
3から5ミリ程の小さな花が20センチ近くにわたってねじれながら連なって咲きます。

ねじ花 Spiranthes sinensis



このねじ花が会社の庭に咲いていたことに今日気がついたのです。


ねじ花 Spiranthes sinensis


こんなに小さくてもランの仲間なんですね。学名:Spiranthes sinensis
参考までにWikipediaのリンクも記載しておきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%90%E3%83%8A


指の大きさと比較すれば花がとても小さいのがお分かりいただけますね。

ねじ花 Spiranthes sinensis



ねじ花 Spiranthes sinensis


ねじ花 Spiranthes sinensis



2箇所から花が上がっていました。
もしかしたら今までは、毎年生えてきていたのを芝刈り機で刈り取っていたため気が付かなかっただけでしょうか。


ねじ花 Spiranthes sinensis

安物のデジカメで撮影を試みましたが、どうでしょうか上手くとれていたでしょうか。

それにしても、こんな暑い中ご苦労様と言いたくなるような小さいながらも素敵な花を咲かせておりました。


2011/06/24

まだ6月ですが

連日、気温の話題ばかりで申し訳ありませんが、6月だからとうっかりしていると、葉焼けや高温障害を起こしそうな気温が続いています。


今日のお昼頃の温度です


いつもの年なら梅雨明け後のアドバイスですが、気をつけておきたいことを書いておきます。


戸外へ出して、しっかりと太陽光線に当てるのは良いことなのですが、それも十分な風通しや、十分な水やりが行き届いていればという条件も必要になってきます。




こんな症状が出ていませんか?
葉の色が薄く、元気が無い。または葉が内側へ巻いてきている。

葉が内側へ巻いている様子
葉が内側へ巻いてきているのがわかるでしょうか?
デンドロビュームが光線を嫌って 自ら葉を丸め、光線が当たらないようにしています。
この様子から、このデンドロビュームにとっては今の環境が光線が強すぎると判断してよいと思います。





以下の写真はもう取り返しのつかない結果ですが、このようにならないためには、早めに遮光をしたり、風通しの良い場所の確保など対策を考えておくべきでしょう。

葉焼けの症状

症状がひどい場合はバルブ(茎)の細胞組織まで破壊してしまいます。


高温障害で茎の組織が破壊されています


デンドロビュームは日光を好む植物ではありますが、風通しの悪い場所で高温、強光線が続くと高温障害で葉だけでなく植物体そのものがだめになることもあります。
 ノビル系デンドロビュームの原産地においては高い樹の枝に着生し、光線は強くても常に風が吹き、朝夕はさわやかな気候であることが知られています。









このように具体的な症状、被害が出ていなくても植物からのサインで現在の置き場所や栽培環境が適切かどうか判断することも出来きるのです。

デンドロは丈夫だからと直射光線下で夏を過ごす方もいらっしゃるようですが、デンドロビュームの健全な生育を望むのであれば、多少の気配りをしてやったほうが、春には良い花を咲かせて応えてくれると思います。



2011/06/23

寄せ植え作業はこれからが本番

今日は良く晴れて、 岡山の最高気温も34度を超えました!

先月から始まったギフト向け商品のための寄植え作業は暑い中、毎日続いています。
今日の政津農場の様子です。



店頭に並ぶ大きな鉢植えのデンドロビュームは開花してから寄植えすることもありますが、殆どの場合があらかじめ春から夏の間に大きな鉢に植えてやります。場合によってはさらに早い段階で植える場合もあるのです。




まだ苗が生育途中であるため、仕上がりの高さ、ボリュームを揃えようと思えば、それぞれの品種の特性を掴んでいなければなりません。




茎の完成後のそれぞれの高さが違えば花の高さがギクシャクになり、商品価値が大きく下がります。仕上がりの高さを想定して支柱を仕立てるのも、ベテランのパートさんの腕の見せ所です。

この状態でもまだ新芽の先は伸びている最中です。いかに大きな商品であるかがお判りになりますか?





10号サイズの大鉢もすでににたくさん出来ていますね。




温室の中が次第に鉢植えのデンドロビュームに入れ替わっていきます。



 この作業は9月の初めころまで続きます。

2011/06/22

イエローマジック ‘フェスティバル’

Den.Yellow Magic 'Festival'

(Den.Happy Gold x Den.Santana) 1995年 J.Yamamoto RHS登録
イエローマジック ‘フェスティバル’


Den.Yellow Magic 'Festival'



純黄色の花弁に赤褐色の目が良いアクセントに。花つきもよく、新バルブに見事に着花します。 


デンドロ初心者にも育てやすい黄色系品種。入門用にも最適です。花付きもよく、新バルブに着花します。 

Den.Yellow Magic 'Festival'



イエローマジック ‘フェスティバル’はギフト向け鉢物品種としても活躍しています。
年末出荷には間に合いませんが、2月中旬から3月後半くらいまでが出荷可能になります。

イエローマジック ‘フェスティバル’5.5号鉢



鉢サイズは4.0号から5.5号までを主に生産しています。
小鉢サイズであっても株元からしっかりと花がつくため、結構ボリューム感があります。
黄色一色のイエローソング‘キャンディ’とはまた別の良さがありますね。


イエローマジック ‘フェスティバル’4.5号鉢





趣味家の方でイエローマジック ‘フェスティバル’ に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。

http://item.rakuten.co.jp/dendro/402296/


2011/06/21

梅雨の晴れ間、強光線に注意!

今日は昨日の天気とはうって変わり、朝から晴れて、気温もぐんぐん上がり蒸し蒸しとした1日となりました。



説明を追加



それでなくとも光線不足になりがちな6月です。
趣味で栽培されている方にとっても、僅かな時間でも日光に当ててやりたいところですが、注意しなくてはならないのが、梅雨の晴れ間の強光線です。

梅雨の晴れ間は空が澄んで光線が強烈な場合が多く、戸外へ出して間がないデンドロビュームにとっては直射光線に慣れておらず、葉焼けを起こすなど高温障害を起こす心配があります。



ここ山本デンドロビューム園政津農場の戸外の簡易ハウスには40%の遮光率の遮光ネットをかけて栽培をしていますが、それでもこの明るさ、眩しさです。









もしもご自宅で遮光される場合はホームセンターで手に入る物で構いません。寒冷紗やすだれなどを利用して遮光をしてやるとよいでしょう。

その際、なるべく植物から離して高さを確保してやると風通しを妨げることがなく良い環境が保てるでしょう。

梅雨が明ければ暑い夏がやってきますが、今日のこの気温だと早めに夏の準備が必要のようです。 

2011/06/20

ハイライト ‘ヤマブキ(山吹)’

Den.Highlight 'Yamabuki'



(Den.Kaguyahime x Den.Oborozuki) 1979年 J.Yamamoto RHS登録
ハイライト ‘ヤマブキ(山吹)’


Den.Highlight 'Yamabuki'




Den.Highlight 'Yamabuki'




リップの喉奥にある朱赤のほんのわずかな点紅を除いては、花弁のほとんどが純黄色の美しい色彩。
満開で色付くとその名のとおり山吹色に。



Den.Highlight 'Yamabuki'




元々は1970年の初期に実生として熊本の生産者のもとへ渡った苗の中から選抜され、長い間切花専用品種として活躍していました。その後35年経って山本デンドロビューム園に帰ってきました。
バックバルブ先で花付きよく密に咲き非常に美しいデンドロビューム。





こちらは開花直後でやや色が薄いですね。

Den.Highlight 'Yamabuki'










ハイライト ‘ヤマブキ(山吹)’ に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。

http://item.rakuten.co.jp/dendro/10000560/

2011/06/19

葉や茎に病気が出やすい時期

毎日、スッキリとしない天気です。今日の岡山市内は朝からどんより曇り空。


昨日に引き続き、デンドロビュームの栽培において梅雨の時期に気をつけたいことを投稿します。



長雨により多湿状態が続けば葉先、葉の表面が常に濡れた状態が続き、黒斑病などの斑点病が多発することがあります。また展開中の葉には疫病が発生しやすくなります。




斑点は次第に大きく、範囲は拡がる


柔らかい葉の展開部分がなりやすい

疫病や斑点性の病気はカビが主な原因であることが多く、いったん発生すると周囲への拡がりが早く、注意が必要です。
長雨が続くようなら、軒下に入れて雨を避けるなどの工夫も必要でしょう。

早期発見、早期予防が肝心です。ダイセン水和剤やトップジンM水和剤の散布が有効です。



天候不順で日照不足、多湿状態が長く続くと植物体の活性も下がってきます。
この時期、早咲き系統の品種の中には古い茎の葉が落葉しやすいものもあり、落葉後にこれを長く放置しておきますとカビが生えて、次の病気の感染源にもなりかねませんので速やかに取り除くことが肝心です。




古い茎の葉が落ちやすいのです





落葉した葉にはすぐにカビが生えます







また、湿度が高く蒸れやすい状態が続くと、柔らかい新芽の根もとが腐る軟腐病が発生しやすくなります。



初期段階ではヒトマイシンやアグリマイシンなどが有効ですが、特に株元で発祥した軟腐病は株そのものをだめにすることがあるため、処分するしかありません。付近の株にも移りやすいので、注意します。



茎部まで細菌が侵入、腐敗している

これらの、症状は日照量の低下する梅雨時期に特に発生しやすいため、通気や日当たりを良くし、環境を少しでも改善することで発生を抑えるようにします。

天気の良いときには風通しの良い場所で積極的に光線に当ててやましょう。