温室内では年中発生して被害にあいますが、 この9月から10月にかけては戸外でデンドロビュームを栽培されている一般家庭でも発生が見られるのではないでしょうか?
ヨトウムシというのはヨトウガやハスモンヨトウと呼ばれるヤガ科ヨトウガ亜科の蛾の幼虫の総称で、漢字では「夜盗虫」と書きます。
名前のとおり夜行性で、老齢幼虫になると夜の間に活動するため日中はその姿を見つけにくいと言われています。
網目状に繊維だけが残ったデンドロビュームの葉 |
デンドロビュームの葉の表面を網目状に繊維を残して、食べられた後を見たことがありませんか?
これが実はヨトウムシの仕業なのです。
黒い点はヨトウムシの糞 |
そして、必ず見られるのが葉の上にたまった小さな糞です。
このようなたくさんの小さな糞を見つけたらその上の葉の裏を見てください。
葉の裏を覗いて見ると、ヨトウムシを発見することができます。
葉の裏でデンドロビュームの葉を食べるヨトウムシ |
柔らかい新芽の先を食べられてしまうことも |
展開中の新芽の中にもぐりこんでこれから伸びようとする柔らかい葉の部分を食べられてしまうこともあります。
若令幼虫のうちは日中も食欲旺盛 |
食欲旺盛で、大発生するとデンドロビュームの葉も丸坊主にされてしまいます。
若齢幼虫のうちは写真のように黄緑をしていますが大きくなり老齢幼虫になると、その体色は黒褐色で40mm程にもなり、その食害も馬鹿になりません。茎まで食べられてしまうこともあります。
さて駆除法ですが、広い温室で大発生したならばオルトラン水和剤やアファーム乳剤の散布も有効ですが、大発生して困るほどの状況でないのであれば、一般家庭での殺虫剤散布はあまりオススメできません。
小規模の発生であれば、発生の初期段階で食害の後や糞を発見することにより若令幼虫のうちに捕殺するのが一番ではないかと思います。
大きくなると夜行性の性質からより見つけにくくなりますので、注意が必要です。