デンドロビュームはもともと落葉性の植物ですから病斑もなく健全な葉であってもこの時期になれば 自然に落ちることが多いので、心配はありません。
株元に近い部分であったり、昨年伸びて開花の終わった古い茎が落葉するような場合の大半は心配する必要ない場合が多いようです。
株元から2~3枚落ちるのは普通です |
この時期は茎を充分に成熟させて戸外でそのまま低温に当てていらっしゃる方もいるでしょう。
また、外の低温状態から室内の温かいところへ取り込んだ方もいると思います。
そういった環境の変化でデンドロビュームは落葉することも多いのです。
葉には病斑が見当たりません |
デンドロビュームの茎が完成して充分に太り、翌年の新芽が大きく伸びてくれば古い茎の葉の役割は終わります。
昔の古い品種は、完成してからほぼ一年経過し、落葉した古い茎(バックバルブ)に咲く ものがほとんどでした。
しかし、最近の品種のほとんどは春から成長を始めて、数か月後に完成 した茎にたちまち花を着ける状態にまでになります。そのため新しい茎であっても落葉が早い品種も中にはあるのです。
いずれの場合も葉は1年程度で落葉するものと思って間違いありません。
下の写真は古い茎(バックバルブ)がすべて落葉している様子です。
古い茎(バックバルブ)はすべて落葉していますが、新しい茎の葉が健在なので全く心配ありません。
中央の茎が昨年伸びた古い茎 |
ところが中には病気が原因の落葉もあります。
下の写真は低温多湿が原因で黒斑病を発症し、落葉しかかっています。
いずれ落葉するなら病気の葉も心配しなくて良いかというとそうも行きません。
黒い斑点が目立つ葉 |
古い茎(バックバルブ)にわずかな斑点が出て、その結果落葉するのはまだ良いのですが、新しい茎に症状がある場合に心配なのは病状の進行によって茎の成熟前や開花前に新しい茎の葉が落葉すると茎が充分に完熟しなかったり、細く未熟な茎のままであったりすることです。
また、葉が無いことで根からの吸い上げが悪く、鉢の中が乾きにくくなり根腐れを起こす可能性があります。結果として開花時には本来のサイズではなく小さくな花しか咲かすことが出来ません。
この秋、デンドロビュームの葉の黄変が気になる場合は自然の落葉なのかそうではないのかを最初に見極めたほうが良いでしょう。