2011/07/30

とにかく伸びる

昨年末にも紹介したことがありますが。弊社の交配でとにかく背丈の伸びる品種があります。



Den.Wiganiae


Den.Wiganiae ウィガニー


登録は古く、1896年にWigan氏によってなされました。

交配親がDen.nobile と Den.signatumの原種同士であることから、この100年以上の間に多くの同様の交配がなされたと思われます。




写真のDen.Wiganiaeは弊社で選抜した原種の個体同士を掛け合わせたもので、独特の香りが楽しめる人気品種でもあります。



さて、今年も昨年を上回る勢いで保存用の大鉢が伸び続けています。

下の写真は今朝、昨日農場で撮影したものですが、鉢底からの高さがすでに1メート70センチを超えています。しかもまだまだ伸び続ける勢いです。





特別な肥料も管理もまったくしていません。
鉢増しのペースも3から4年とのんびりと行っています。そして、株分けすることなくとにかく作り込んで8年目になります。







昨年よりもさらに速いペースで伸びているため、最終的な背丈は今までにないものになりそうで、今度の生長にちょっと期待してしまいます。


生育の結果は秋頃に、またこちらで報告したいと思います。











 

2011/07/29

ゴールデンタリスマン ‘ヤマブキ’

Den.Golden Talisman 'Yamabuki'

(Den.Blumenau x Den.Variabilis) 1969年 R.Altenburg RHS登録
ゴールデンタリスマン ‘ヤマブキ’




Den.Golden Talisman 'Yamabuki'

30年以上昔の品種ですが、保存株が1リンだけ咲いていました。
光沢ある、濃黄の花弁は美しいですね。



下の写真は1970年代の趣味家向けカタログからのスキャン画像です。
カタログの品種説明にはこう書いてあります。

「濃鮮黄金色、丸弁良型の大輪花。リップに赤褐色の斑が入り、側に濃鮮黄色を彩りたいへん美しい。生育旺盛で花つき良く、1節に4リンづつ着花する。」

Den.Golden Talisman 'Yamabuki'


この当時は黄色品種はバックバルブ咲きが当たり前なのであえての記述はありませんが、バックバルブ咲きの品種です。花は今見ても十分美しいと思います。




現在、保存株として管理していますが、いつか販売する機会を持ちたいと思います。




2011/07/28

播種から10ヶ月後の様子

デンドロビュームの播種から約10ヶ月経ちました。


2ヶ月前の5月23日の投稿では播種から8ヶ月経ち、フラスコからコミュニティポットへ植え出しの様子を紹介しました。

これがその時の画像です。
フラスコの寒天培地から初めて外に出された苗は乾燥に弱く、なんとも頼りない様子でしたね。

播種から8ヶ月、苗ははじめてフラスコの外へ




そして現在、上の画像撮影時からさらに2ヶ月たった様子をご覧ください。
播種後からは約10ヶ月経過したことになります。


少しはしっかりしたように見えますか?
もともと小さな苗ですから、あまり変化が感じられないかもしれません。





しかし、フラスコから出された時に比べ、葉は緑が濃く、茎も張りがあり、しっかりしてきました。




こちらの苗はシャキッとしていますね。秋までには丸々と太ってくれるでしょう。



葉の形、付き方、雰囲気が微妙に違うのは、これらの苗がすべて実生であるためです。
それぞれがまったく違う品種、違う性質を持っています。



生長の早い苗は年内にポットへの植え込みができるかも知れません。

その時は生育状況や株立ち、根張りなどの条件で選抜され、良い苗だけが残されていきます。
全ての苗が初花を咲かせられるわけではないのです。

引き続きこの実生苗の生長を見ていきたいと思います。

2011/07/27

バニラを育ててみる その2

バニラを育ててみる その2


前回はバニラの生育環境と生育サイクルを見てみました。


今回はバニラの実際の栽培と増やし方について知ってみましょう。

一般的に販売されているのは下の写真のようなサイズのものが多いと思います。
可愛いカゴに入ったものもあるでしょう。



バニラの簡単な管理


バニラは蔓状に伸びる茎と葉の付け根から伸びる気根で支柱や周囲の壁を伝って伸びていきます。見た目はまさに観葉植物そのものです。
 




春からの生育期は蔓と気根をどんどん伸ばして生長しますので、根が溢れて収まり切らないようなら春から夏にかけて大きな鉢に植え替えをしてやります。
水苔と素焼き鉢で植えてやると水の管理もしやすいようです。



バニラは蔓や気根を周囲に絡めて伸びてゆくため、支柱が必ず必要になります。
活着のためにはヘゴ棒のほうが良いのですが、普通の支柱でも構いません。
被覆したビニールパイプで支柱を立てる場合は絡みにくいので、ビニタイなどで縛ってやり、蔓を誘導してやります。
密集して蒸れるのを防ぐために、螺旋状に巻いてなるべく上に伸びるようにします。

バニラの水やり

多湿を好むため乾いたら、水やりはたっぷりとやります。
夏の乾きやすい時期は、鉢の中だけでなく、気根にも水が行き渡るよう、スプレーしてやるのもよいでしょう。

秋から冬はやや控え気味に。鉢の中が乾いてから次の水をやるように心がけます。


バニラの肥料

春から夏にかけての生育期には液体肥料を施してやると葉の色、艶も良く、観葉植物としての楽しみが増します。ハイポネックスなどの液体肥料がつかいやすいでしょう。



バニラの置き場所

1年中、高温多湿と明るい場所を好みますので、室内管理の場合は夏場の極端な直射光線以外は、なるべく風通しの良い窓辺で育ててやりたいですね。
ただし冬は夜間冷え込んで来たら、窓辺から離してやる必要があります。窓辺の低温でたった一日でダメにしてしまうかも知れません。


バニラの冬越し

一般家庭でのバニラ栽培で一番の心配はこの冬越しですが、冬の室内を10から15度程度保つことと乾燥し過ぎないよう注意すれば大丈夫でしょう。
ただし植物の生育は積算温度に比例しますので、最低温度ぎりぎりで育てるよりは少しでも温度が高いほうがより生育が進むことは覚えておきましょう。秋から冬、冬から春にかけての夜温の差がバニラの生長にも影響してくると思われます。
花を咲かせて、実までと考えている方はなるべく原産地の温度に近づける必要があります。
冬越しの最低気温は植物として耐えることが可能な最低の温度と考えておいたほうが良いでしょう。


以上が簡単な育て方です。
花が咲くまでは2、3年はかかると言われています。私たちが温室で育てた場合でも花を見るまでは7年近くかかりました。株の成熟度合いにもよると思われますので、気長に大きく育ててやるのが良いと思います。

更に詳しい育て方は以下のリンクを参考にして下さい。

バニラの育て方

https://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2020/09/blog-post.html


バニラの増やし方を解説します


このバニラ、どうやって増やすのでしょう。
せっかく購入したバニラも管理の失敗でダメにするとちょっと残念です。簡単に増やすことができるので、初めての栽培で上手く育てる自信のないときは同時に、苗も増やしておくと良いでしょう。


バニラは葉の付け根から気根を出して生長を続けます。この性質を利用して挿し木繁殖が可能なのです。国内で観葉植物として販売されているほとんどがこの方法で増殖販売されています。

まず、よく太った部分の茎を葉と気根を2から3箇所ほど含めて刻みます。


切り口が乾いたら、プランターや鉢に挿してやります。
挿し芽に使用する用土は園芸店で購入可能な安価な培養土で構いません。
ここではデンドロビュームの挿し芽にも使用するプロミックス(配合培養土)を使用しています。




家庭なら水苔で巻いて1鉢ずつ植えてやってもよいでしょう。



 
気根が鉢の中に伸びて定着しやすいように支柱で茎を支えたり、根を鉢の中に誘導してやります。根が張ってくるまでは鉢の中というよりも気根も含めて水をかけてやるようにします。


以上です。





バニラの購入はこちらから





山本デンドロビューム園では国産バニラの生産を始めようという生産者の方向けに、営利栽培用のバニラ苗の販売もしています。 

バニラ(Vanilla planifolia )の資料請求や苗、営利栽培に関するお問い合わせはinfo@dendrobium.net までどうぞ。  




2011/07/26

バニラを育ててみる その1

バニラを育ててみる その1


政津農場で育てているバニラですが、「自宅で育てられないか?」とか「苗を売ってください」という問い合わせまできました。

バニラはどちらかというと甘い香りの実ばかりに注目しがちですが、バニラの植物としての特性にもちょっと注目してみます。


バニラはランの仲間


バニラ vanilla (学名 Vanilla planifolia)
あまり知られていませんが実はラン科植物です。

下の写真は政津農場に生えているバニラの木ですが、高さ、幅とも4メートルを超える大株になりましたが、ここまでに10年かかっています。


高さ4メートルを超える大株です。


バニラは熱帯地域の作物


メキシコ、中央アメリカが原産で実際の作物としてのバニラの栽培地域もほとんどが熱帯地域に限られています。
そのため、日本で一般家庭で育てようとする場合は冬の温度が大変気になりますね。

栽培には冬期に10から15度程度保つ必要があるそうですから、そのつもりで、管理しないと冬に枯らしてしまう確立は高そうです。
しかも高温多湿を好むために、いくら暖房をかけて温度を保っていても、お部屋が乾燥しすぎていてはバニラ向きの環境ではありません。

観葉植物として、ネット販売もされているようですが、このあたりのことを認識した上で購入されたほうが良いでしょう。
中には2、3年で開花、 7、8年で成熟すると書かれている資料もありますが、ここの温室では植えてから7年経ってからやっと花が咲きだしました。冬の夜温は16度以上は保てているのですが。

このことから、葉の緑を楽しむだけでなく、花や実をつけようと思う方は3年以上は葉っぱだけで辛抱する必要があるかもしれません。 




バニラの花の寿命はわずか1日


さて、上手く育てることができれば開花、受粉、結実が次の目標になります。

バニラビーンズのイメージばかりでバニラの花を知らない方もいるのではないでしょうか。それは薄グリーンのとても綺麗な花です。ランの花の特徴が感じられます。
しかし、花の寿命は短く、午前中に満開になると お昼には萎れてきます。
わずか一日のみの開花です。この僅かなタイミングで受粉させてバニラビーンズを実らせるのです。


バニラの花

バニラの受粉は難しい


では、バニラの実、バニラビーンズの収穫のためにはどのような作業が必要なのでしょうか?
ただ、花粉をめしべにつけてやるだけなのですが、これがなかなか難しいのです。

花の寿命もたった一日で、朝開花してお昼には萎んでしまうため、慣れるまではバニラの受粉は意外に難しいもので、失敗の連続でした。
詳しくは下記リンクを参照ください。

バニラの受粉させた記事

http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2011/05/blog-post_20.html

受粉後1ヶ月たった様子

このあとは半年以上、成熟をさせてから、収穫、加工となるのです。此処から先の工程はまだ経験がありませんので、いずれご報告させて頂きます。

いかがでしょうか、栽培に適した環境が整えられるという方はチャレンジしても良いのではないでしょうか。


次回は更に詳しくバニラの植物としての性質、細部を見てみましょう。そして実際の増やし方なども解説してみます。





バニラの購入はこちらから





山本デンドロビューム園では国産バニラの生産を始めようという生産者の方向けに、営利栽培用のバニラ苗の販売もしています。 

バニラ(Vanilla planifolia )の資料請求や苗、営利栽培に関するお問い合わせはinfo@dendrobium.net までどうぞ。  




2011/07/25

ウンカイ(雲海)‘ラブ’

Den.Unkai 'Love'

(Den.Hagoromo x Den.Himedaruma)    1997年 J.Yamamoto RHS登録
  ウンカイ(雲海)‘ラブ’



Den.Unkai 'Love'





純白の花弁は肉厚で豊大、丸弁良型の優良品種。ペタルは大きくウェーブをまとい、よく見れば周囲に薄く濃紅紫の縁取りが確認できる。
リップの奥には美しい紅紫の目入がはいります。




Den.Unkai 'Love'



Den.Unkai 'Love'



ウンカイ(雲海)‘ラブ’  に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。

http://item.rakuten.co.jp/dendro/505452/

2011/07/23

バニラビーンズ収穫のピンチ?

今年初めて挑戦したバニラの花の交配とバニラビーンズの収穫ですが、ここにきてちょっとピンチです。

交配の詳しい様子はこちらを 
2011/05/20 バニラを受粉させてみる


かなりの反響もいただいていたのですが、先日から、せっかく結実したバニラビーンズの鞘が 黒くなってぽろぽろと落ちています。


んん??


これはどうしたことでしょう。


黒く腐敗した感じ




生存確認できたのバニラビーンズはたった2つだけです。
10個以上は実をつけていて後は収穫を待つのみと思っていたので、大変残念です。

収穫には半年くらいかかるそうですが、果たしてこの二つがそれまでぶら下がっていてくれるかとても心配です。

残った鞘のひとつ





丸坊主の花茎



原因は不明ですが、高温と強光線にバニラビーンズが絶えられなかったのでしょうか?

確かにここは日中、とても暑いです。ハウス内の気温が35度を超えることもあり、屋根に近いほど更に高温になり、光線も強いはず。





暑さに耐えかねたのか、一部に葉の枯れ落ちている部分もあります。





これからはバニラビーンズの様子からも目が放せません。
何か変化がありましたら、ブログでご報告します。

















2011/07/22

バルブが萎びて戻らない

お客様からデンドロビュームのバルブが萎びて元に戻らないというメールをいただきました。

メール添付の写真と内容からすると萎びているのはバックバルブのようです。

ベテランの趣味家の方ならピンと来るでしょう。
この時期のバックバルブは皺が出るのは珍しいことではありません。特に新芽が勢い良く伸びつつある株にあっては、新芽の生長に養分、水分を取られ、なおかつ夏の乾燥でバックバルブは皺苦茶(しわくちゃ)になります。


こちらは弊社で用意した似たような症状の参考写真です。


7月、8月は良く乾き、デンドロビュームも大量に水分を必要としています。しかも新芽が伸び、充実する生育期と重なり、いくら水をしっかりやっていてもバックバルブに多少の皺が出ることはあります。
新芽の大きさ、勢いを見る限り、水が不足している訳ではなく、むしろ健全な生育状態と言えます。



確かに春までは瑞々しくく太っていたバルブですから、心配されると思いますが、 秋になり、新芽に止め葉が出る頃には元通りになりますのでご安心ください。




水をやっているのにもかかわらずバルブに皺が出て戻らないので驚かれたのだと思います。



試しに3週間ほど水やりをストップした乾燥させた株を見てみましょう。高温乾燥と、新芽へ養分供給でバックバルブはペチャンコです。さらに水は不足気味で新芽も皺が出てバルブが痩せて折れ曲がっています。

3週間ほど水を切ってみました。


ここまで痩せ細ると本当に元に戻るかどうか心配になられると思います。

では鉢の中はどうでしょうか。鉢の中は真っ白のきれいな根のままです。水さえやればすぐに水を吸い上げ、しぼんだバルブも元に戻ります。 
鉢の中では根がいつ水を貰っても良いように、少しずつ根を鉢の中に張りめぐらせています。

根は白く健全です

デンドロビュームの原産地においては雨季と乾季が繰り返されます。乾季には一ヶ月以上雨が降らないことは珍しくなく、そのような環境においてもデンドロビュームは枯れること無く生き続け、雨さえ降れば痩せたバルブはもとに戻るのです。たとえ僅かな雨であっても、乾季の間にしっかりと張りめぐらせた長い根で無駄なく吸い上げるのです。


デンドロビュームの生命力には驚かされますね。この様子を見れば少しは安心出来るのではないでしょうか?





趣味栽培で楽しむのが目的ですから、ストレスのないスムーズな生育、管理をしてやったほうが良いので、このような過酷な状況に置く必要はありません。
しかし、デンドロビューム本来の性質を理解することで、栽培管理にも余裕で対処できるようになるでしょう。









2011/07/21

ヨトウガの飛来

7月もはや下旬になりました。
台風一過とはいきませんでしたが、お昼からは晴れ間も見え天気も回復してきました。

ここ数日、温室内でヨトウガが確認できます。

温室で確認できるのはヨトウガの仲間ハスモンヨトウが殆どですが、温室をほぼ開放している夏の間は外部との仕切りがありませんので、温室内だけでなく、周囲の畑などからの飛来も当然考えられます。

ヨトウガの幼虫の発生サイクルは春と秋の2回あります。つまり今飛んでいるヨトウガは春に発生したヨトウムシが成虫になったもので、その後、交尾産卵を行って、秋に次の世代の幼虫が発生するわけです。秋の幼虫は自然界では蛹の状態で寒い冬を冬眠により過ごしますが、運悪く温室内で蛹になった場合は冬に温室内で発生して、大切な花や蕾を食べられる事にもなります。

対策としては外部からの飛来もありますので、温室内を殺虫駆除するだけでは効果がありません。
山本デンドロビューム園の農場では毎年フェロモントラップを仕掛けてやります。

メスのフェロモンでオスのハスモンヨトウをおびき寄せ、捕獲するのです。オスを減らすことで交尾する機会を奪い、産卵数を減らす効果があります。



写真の中は一晩トラップを吊るした成果です。 容器に入っているのはすべてハスモンヨトウのオスです。使用しているフェロモン剤はハスモンヨトウのメスのフェロモンに似せた匂いを出すものであり、他の種類のヨトウガには全く効果がないのだそうです。




通常は容器に水を張って溺死させると良いのですが、結果はかなりの目を覆う惨状ですので、ここでは僅かな殺虫剤の粉末を底に撒いておきます。




別の場所に仕掛けた容器にもたくさん捕獲できています。



なんとも寂しいハスモンヨトウのオスたちの様子ですが、作物を栽培している者にとっては大変役に立つトラップです。

2011/07/20

トゥーマイキッズ ‘スノーホワイト’

Den.To My Kids 'Snow White' AM/AOS

(Den.Hagoromo White Christmas)    1993年 Hirofumi Yamamoto RHS登録
トゥーマイキッズ ‘スノーホワイト’

Den.To My Kids 'Snow White' AM/AOS



発売後3年ほどで国内販売は終えた品種ですが、北米向けにはハワイ農場で生産が続いていました。
兄弟品種の‘エクセレンス’と共にアメリカ蘭協会でAM入賞した優良花です。
弁先にわずかにピンク色を彩る厚弁良型の極大輪整型花です。


Den.To My Kids 'Snow White' AM/AOS




‘エクセレンス’との花の違いは、ペタルの角度、開度、リップの幅、目玉の形状で見分けることが出来ます。
また節間が適度に開いてスラっとシャープな印象の ‘スノーホワイト’と、ずんぐりと太い節間の短い‘エクセレンス’は兄弟品種であっても全く異なる苗なのです。


Den.To My Kids 'Snow White' AM/AOS

 非常に大きく伸びて花つきの良いトゥーマイキッズ ‘スノーホワイト’は鉢物向け品種としても活躍します。

Den.To My Kids 'Snow White' AM/AOS




この度ハワイから取り寄せて販売を復活。
トゥーマイキッズ ‘スノーホワイト’  に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。

http://item.rakuten.co.jp/dendro/10000653/
 

2011/07/19

台風6号が接近中

台風6号が接近しています。大型で非常に強い台風です。
ここ岡山市内は、昼過ぎころから強い雨と風で温室も揺れています。




山本デンドロビュームでは台風に備えて屋根に張った遮光ネットやハウスの補強など台風対策で一日を費やしました。

鉄骨のガラス温室であれば多少の台風でも安心ですが、屋根が波板であったり、開閉にビニールを使用したハウスはビニールハウスと同様に防風による倒壊やビニールの損傷 などの被害が心配されます。



弊社にも複数のビニールハウスがありますので、非常に心配されます。
十分な補強をした後は何事も無く通過してくれることを祈るのみです。


これから台風を迎える地域の皆様はくれぐれもご用心を。
デンドロビュームを外に出している方は室内に取り込んでくださいね。





2011/07/18

Den. Super Chance 'Magic'
スーパーチャンス ‘マジック’

Den. Super Chance 'Magic'

(Den. Utohime x Den. Fancy Gem)    1999年 J.Yamamoto RHS登録

スーパーチャンス‘マジック’

Den. Super Chance 'Magic'



弁先半分が淡い紅紫を彩り、肉厚、丸弁の極良型の巨大輪花。紫褐色の目の外側には細く黄色を彩る。


おそらく現在販売されている品種で最も大きな花を咲かせるノビル系デンドロビュームでしょう。



Den. Super Chance 'Magic'




Den. Super Chance 'Magic'



これまで弊社で確認できた最大のものは花径が13センチを超えています。


Den. Super Chance 'Magic'


スイートピンキー‘モモコ’と比較してみました。






スーパーチャンス‘マジック’   に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。

http://item.rakuten.co.jp/dendro/408476/





2011/07/16

ユートピア ‘メッセンジャー’

Den.Utopia 'Messenger' FCC/9thWOC , AM/AOS


(Den.Glorious Rainbow x Den.Orion)    1971年 J.Yamamoto RHS登録
ユートピア ‘メッセンジャー’FCC/9thWOC , AM/AOS

Den.Utopia 'Messenger' FCC/9thWOC , AM/AOS



今からちょうど40年前に作出された品種です。
濃紅紫、丸弁良型の大輪花。リップの奥に赤褐色の小さい斑が入り、周囲を濃黄色が彩る。
花が殆ど前面に向いて整然と咲く。早咲きの優良品種。
1978年タイ、バンコクで開催された弟9回世界蘭会議(WOC)にて最高賞であるFCC/WOCを受賞。

Den.Utopia 'Messenger' FCC/9thWOC , AM/AOS



茎の太さや花梗の角度は今の弊社作出品種とは比較になりませんが、
色彩の華やかさはもちろん、花つきの豪華さは当時のノビル系デンドロビュームの評価を大きく変えた品種と言っても良いでしょう。世界中へ輸出され、数多く生産されました。


下の2枚の画像は当時のスライドフィルムからスキャンしたものです。

Den.Utopia 'Messenger' FCC/9thWOC , AM/AOS



Den.Utopia 'Messenger' FCC/9thWOC , AM/AOS



弊社では1990年頃まで生産されましたが、現在は生産栽培しておりません。
九州の一部のデンドロビューム生産農家では現在もわずかですが栽培されているようです。