2011/08/08

栽培温室の様子20110808

8月の栽培温室の様子です。




いつも月の初めに育苗温室である政津農場の様子を紹介しています。
先月の様子はコチラ
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2011/07/20110707.html



5月から始まった寄植えの作業も半分以上を終え、鉢物製品用のハウス約800坪の中は見渡すかぎり、陶器鉢に植えられた大きな鉢物で埋まっています。


サイズ別に整然と並べられたデンドロビューム



品種ごとにグループ分けされています




8号鉢が整然と並ぶ様子




ケースに収まった6.5号鉢




10号鉢が並ぶ棚



ハウスに収まり切らないものは戸外の簡易ハウスにも。
夏の間は風通しもよく、むしろハウス内よりも快適なはずです。

遮光ネットのみの簡易なパイプハウス




さらに棚が足りないために即席で置き場所を作ります。

置き場所が足りずやむなく設置



今年は昨年ほどの猛暑ではなく、デンドロビュームにとっては比較的快適な夏となっているようです。
もちろん、気を抜けば、高温障害や葉焼けを起こす可能性はありますし、今後の気温の推移も当然注視する必要があります。

8月6日のブログで紹介したように、まもなく山上げが本格的に始まり、これらの鉢物の中からも山上げ栽培されて、年末に開花させられるものもあります。




実際の山上げ作業風景はまたこちらのブログでご紹介したいと思います。






2011/08/06

まもなく山上げ栽培が本格化

一般家庭では通常3月~4月、5月にかけて咲くデンドロビュームは、温室で加温栽培することにより無加温栽培よりも半年近く株の生育を早め、夏までに茎を充実させることが出来ます。

茎が充分に完成した株は、夜間の最低気温14℃以下の低温に合計の回数が25回くらい当たると、花が咲く準備ができます。
しかし、この温度で管理するためには関東以西の平地であれば10月下旬頃まで待つ必要があります。
このため、標高の高い山間部で通常よりも早く低温処理をして花芽分化を促すため8月のお盆過ぎ頃より、順次デンドロビュームを山へ移動して山上げ栽培を行います。
その後、再び持ち帰った鉢を加温すると年末の開花に間に合うわけです。

12月の歳暮シーズンに店頭に並ぶデンドロビュームの大半はこのような手間をかけた後に見事な花を咲かせているのです。

簡単な作業に思えますが、温室数棟分ものたくさんのデンドロビュームの鉢をトラックへ積み込み、数時間掛けて山へ移動する作業を夏の間何度も繰り返すことはデンドロビューム生産者にとってかなりの重労働です。




前置きが長くなりましたが、今年もそんな山上げ栽培の時期が近づいてきました。




まずは3ヶ所ある山上げ場の一つ、鳥取県と兵庫県の県境にある標高1310mの山、扇ノ山まで岡山市内から4時間近くかけてやってきました。


頂上に近い場所からは鳥取市内が一望できる



見上げると標高が高いため、空と雲がとても近くに感じます。

時折、雲の中にいるかのような霧雨状の雨が降ることも





ただ植物を運ぶだけと思われがちですが、実は山上げ栽培の都度、遮光のための屋根や棚を作る必要があります。






毎年使うのに何故と思われるでしょうが、標高1300メートルのこの場所は積雪量が半端ではありません。多いときは積雪が2メートルを超えることも。そのため、山上げ作業が済むと、すべてのハウスや棚をを壊して、倒さなければなりません。







そのままにしておくと、雪が解けて動くことでこのように直径6センチを超える鉄の支柱も雪の重みで曲がっています。




山道で見かけたカーブミラーもご覧のようにグニャリと。
あちこちでこのような光景が見られます。


至る所に道端に傾くカーブミラー



直射光線による葉焼けから植物を守る遮光ネットとデンドロビュームの鉢を並べるための棚は必ず必要です。

低い位置、或いは地面にシートを引いて直に置くと、大雨で泥水を被ったり、付近に住むイノシシに鉢をひっくり返されたり、食べられたりするのです。

日中の気温はやや低いが日差しは非常に強い




慣れた作業とはいえ、設営には2日程要します


この準備が終わって、やっとデンドロビュームの山上げが可能になるのです。
夏から秋にかけて大型トラックで何十往復も長時間かけて通うことになります。

山本デンドロビューム園ではこの扇ノ山の他にもまだ2ヶ所の山上げ専用の圃場があります。

これから益々忙しい日が続くことになります。


2011/08/05

茎葉の色、濃すぎていませんか?

8月になって、デンドロビュームの生長も著しく、水やり、その他の管理で忙しいことと思いますが、生育期としては既に後半を過ぎています。


デンドロビュームの葉の色、茎の色が濃くなりすぎていませんか?
来春開花予定の株に対しては8月に入ってからの肥料は液肥であっても必要ありません。

下の2枚の画像は窒素過多で茎の充実が充分でない様子です。
葉や茎の緑色は濃く 、大きく垂れ下がっています。



茎が細く大きな葉が垂れている
このような状態では決して良い花の開花は見込めず、本来のサイズ、花色、花数を楽しむことができないでしょう。



茎が葉で覆われて見えていない



健全な生長を遂げた株は茎の色、葉の色は濃すぎず、美しい黄緑で瑞々しく張りがあるものです。秋までには更に飴色に近いほど茎の色は褪せてきます。

ご自宅で栽培中のデンドロビュームが現時点でこのような状態である必要はありませんが、秋までにはバランスのとれたバルブ(茎)に仕立ててやりましょう。


瑞々しく健全な株



また、このようにすでに充実した株であっても、追い打ちをかけるように窒素肥料を施すと、秋にバルブ(茎)が完成した時点で高芽が出ることがあります。


高芽が出ているのは本来、花の咲く部分

もともと、着生ランであり肥料はそれほど必要としないデンドロビュームにとっては、生育初期以外の大量の施肥はマイナス効果でしかありません。

是非、基本を守ってデンドロビュームの栽培を楽しんで、良い花を咲かせてください。

デンドロビュームの月別管理
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/p/blog-page_20.html



2011/08/04

Den. Holy Night 'First Love'
ホリーナイト‘ファーストラブ’

Den. Holy Night 'First Love'

(Den. Lucky Lei x Den. Seiko)    1992年 J.Yamamoto RHS登録

ホリーナイト‘ファーストラブ’

Den. Holy Night 'First Love'



Den. Holy Night 'First Love'


爪紅咲きのたいへん美しい大輪系デンドロビューム。
弁先に光沢も鮮やかな濃鮮紅紫爪斑が入り非常に目立つ花。
リップ


リップも豊大で中心部はややグリーンを帯びた濃黄の目が大きく入り 、ボリューム感たっぷりに咲いてくれます。




Den. Holy Night 'First Love'




Den. Holy Night 'First Love'






ホリーナイト‘ファーストラブ’ に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。

http://item.rakuten.co.jp/dendro/402340/


2011/08/03

ハダニ

暑い時期にデンドロビュームに発生しやすい害虫の一つにハダニがあります。

急に葉に元気がなくなり、葉の裏が白っぽくなっているのなら、ハダニの発生を疑ってみましょう。


葉の裏全体が白っぽくなってきたら要注意


デンドロビュームの葉に多くみられるのがカンザワハダニ、ナミハダニです。
体長1ミリ以下と非常に小さいため気が付きにくい害虫です。
いずれも赤色や、黄色がかった体色で葉の裏に密集して樹液を吸収するため、次第に葉は元気がなくなり、葉の機能を失ってしまいます。

ハダニが確認できる

温室内では周年を通して発生が見られますが、高温乾燥の環境を好み、一般の家庭栽培の場合は気温が高くなる梅雨明け以降からの発生が多くみられます。




ハダニへの対処法ですが、 まず一番は栽培環境を整えることです。
デンドロビューム同士は密集を避け、間隔を開けて栽培し、風通しよくすることで発生を抑えます。
灌水時に葉の裏にも水がしっかりかけてやることで、ハダニの発生を抑え、また発生したダニそのものを減らすことが出来ます。
たいへん小さな虫なので、見落としがちですが、こまめに葉の裏をチェックすることで早期発見にもつながります。

健全な葉の裏と被害を受けた葉の裏を比べてみましょう。

健全な葉の裏


ハダニの被害を大きく受けた葉の裏


実際に発生している場合には、発生の見られる葉の裏を濡らしたティッシュで直接拭き取ることでハダニそのものを直ちに減らすことが出来、効果的です。

市販の殺ダニ剤の使用も良いですが、デンドロビュームの葉や茎に薬害が生じないか確認してからの使用をお勧めします。またハダニは発生のサイクルが非常に早いため、一度の散布では効果が上がりません。さらに薬に対する抵抗性が生じやすいので、繰り返しの使用は避けます。



一般家庭でのハダニ対策は環境整備と葉の裏チェック、直接の拭き取りが確実のようです。








2011/08/02

バースデーケーキ‘スマイル’

Den.Birthday Cake 'Smile' AM/AOS

(Den.Mild Yumi x Den.Bonanza)    1995年 J.Yamamoto RHS登録
バースデーケーキ‘スマイル’


Den.Birthday Cake 'Smile' AM/AOS


弁先の紅紫色から、中心部の乳白色に向かっての色彩の変化とリップの色合いが個性的で美しいデンドロビューム。アメリカ蘭協会の審査でAM/AOS入賞花。



Den.Birthday Cake 'Smile' AM/AOS

 交配親にはマイルドユミとボナンザが使用されています。
どちらも爪紅咲き、黄目の美花でした。 両方の良い所が凝縮されたような花型、色彩です。

Den.Birthday Cake 'Smile' AM/AOS




Den.Birthday Cake 'Smile' AM/AOS


バースデーケーキ‘スマイル’ に興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。

http://item.rakuten.co.jp/dendro/404088/



2011/08/01

デンドロビュームの8月の管理

8月になりました。

生育の最盛期を過ぎ、早いものは止め葉が確認できる株もあります。
バルブ(茎)も次第に太ってきて、デンドロビュームらしさがでてくる時期でしょう。
この時期は昼夜とも高温が続くため、生育のスピードは鈍くなっています。秋までにバルブ(茎)を充実させるため、高温と強光線に注意して暑い夏を乗り切りましょう。



止め葉が出たデンドロビューム
止め葉が出たデンドロビューム



デンドロビュームの8月の管理をまとめてみました。






置き場所について


7月と同様に戸外での栽培になります。厳しい暑さが続きますので、日中はなるべく涼しくなるように風通しの良い場所を選んで置くように心がけます。

コンクリートやアスファルトに近い場所は、照り返しや地面そのものが熱を持ち、想像以上の暑さです。植物とっては大きな負担になります。
夜間も涼しいほうが、株の充実に好影響を与えます。夕方、周囲に水を撒くなどの工夫で少しでも涼しくなるように気配りをしてやります。





光線について


デンドロビュームは光線を好む植物であり、また比較的光線に強い植物ではありますが、ちょっとした条件の違い、またはちょっとした油断で、葉焼けや高温障害につながります。
水を切らしたり、無風状態が続いたりするようなことには十分注意します。
健全な生育のためには7月、8月の気温の高い期間は遮光ネット或いは寒冷紗などを利用し、直射光線を避けてやります。


戸外では必ず遮光をしてやります



水やりについて


年間を通して最も水を必要とする時期です。
高温期でよく乾燥することに加えて、止め葉も出はじめ、バルブ(茎)の充実も始まるころです。
デンドロビュームの生長の妨げにならないよう水やりはたっぷりと行います。


ただし、日中の暑い時間帯の水やりは、葉先に溜まった水が高温になって株を傷めたり、鉢やポットの中の水が煮えたようになり根を痛め、根の伸張を止める原因になりますので注意します。 





朝やっても乾きが早すぎて水やりの効果がないと感じられる場合は、朝よりも夕方の涼しい時間帯に行なうと夜間の周囲の気温も同時に下げることが出来、効果的です。
朝夕の2回行うのも有効ですが、鉢の中に古い水が滞留するような中途半端な水やりは、根を腐らせる原因になります。水やりは鉢底から抜けるようにタップリと施します。

黄色系統の品種などでバックバルブが萎びて気になることがあると思いますが、これは新芽に養分や水分を供給しているためで、新バルブ(茎)が完成してくるころには元通りの瑞々しいバックバルブに戻ります。



生育期のバックバルブの皺は心配ありません


しっかり水をやる方法として汲み置きしたバケツなどにつけ込んで、しばらく置いておくような記述も見られますが、複数の株を同じバケツに続けてつける行為はウイルスや病気を蔓延させる原因になりかねませんので注意します。






肥料について


開花予定株には必要ありません。鉢の中に固形肥料の塊が残っている場合には速やかに取り除きます。

あまりにも茎葉が濃く葉が大きく垂れ下がっているような場合には光線不足だけでなく、窒素過多の恐れがあります。デンドロビュームは生育の中期以降に窒素 成分を多く含んだ肥料を与えすぎると花芽分化が妨げられ、せっかく生長した茎に花が付かず、高芽ばかりが出ることになります。

開花株の場合、秋になってやや茎葉が色褪せているくらいの方が花はよく咲きます。

万一、現在の茎葉の色が濃すぎて窒素過多が不安な場合は第一リン酸カリの1000~2000倍液を施すのも有効です。
茎や葉の色が淡くなり窒素過多の現象が解消され、正常な生育へ戻すことができるでしょう。
第一リン酸カリは「ホスポン」という商品名で園芸店やホームセンター等で販売されています。
http://item.rakuten.co.jp/dendro/10000578/  

※少苗、中苗など開花させる予定がない場合施肥を継続しても大丈夫です。


病害虫について


戸外での管理が中心ですのでハダニ、カイガラムシ、ヨトウムシ、ナメクジなど葉や茎を狙うすべての害虫に気をつけます。
被害が出てからの対処では、すでに葉や茎を痛めてしまっている場合がほとんどです。
時折葉の裏や株元、鉢底をチェックするなどして早期発見に努めます。


ヨトウムシの食害が見られるデンドロビューム
ヨトウムシの食害



ダニの発生したデンドロビューム
ダニの発生した葉の裏


葉の病気では高温により植物が弱っていることが原因で発生する場合がほとんどです。
快適な栽培環境を整えることで病気の発生を防いでやりましょう。


炭そ病の症状が確認できるデンドロビューム
炭そ病の症状が確認できる葉


高温障害や葉焼けなどにより植物の活性が低下している場合にによく見られるのが炭そ病です。
ダイセン、ダイファー、トップジンMなど有効な殺菌剤がありますが、発生した葉は元には戻りません。症状がひどければ落葉してしまいます。
病害虫への対処はこちらのページを参考にしてください。

デンドロビュームの病害虫に関する参考記事

https://yamamotodendrobiums.blogspot.com/p/blog-page_3.html





 植え替え


8月以降の植え替えは温室などをお持ちの場合以外は、なるべく避けたいものです。
生育期を過ぎると、秋から冬にかけては根の動きも鈍り、植え替えをしても新しい植え込み材料に根が張っていきません。根張りの悪い株は冬場に水やりの失敗をしたり、その結果、根を痛めて開花時に良い花が咲かなかったりします。
 温室をお持ちで温度を高めに管理できる場合を除いて、次の春まで待ったほうが無難でしょう。


その他


株の生育にしたがって、大きく伸びたバルブ(茎)は傾いたり、中には大きく曲がってしまうものもあります。そのままでは開花時の見栄えが良くありません。バルブ(茎)が太ってしまうとまっすぐに戻すことが困難になりますので、早期に支柱立てをしてやります。




デンドロビュームの支柱の立て方は以下のページを参考にしてください。