2013/10/08

温室内のデンドロビュームの様子


年末開花予定のデンドロビュームは山上げにより、低温処理が行われますが、山上げに間に合わなかった株や年明け開花予定の品種はどのような状態にあるかというと。

現在の温室内のデンドロビュームの様子です。
温室を開放して外気温に任せるのではなく、昼夜の温度を外気温より高く保持してバルブの成熟を促進させるために温度管理を徹底しています。


外気温は10月に入って30度を超えるようなことはありませんが、温室の中は日中30度を保ちます。


さらに夜間はボイラーも稼働させて温室の夜温を18度に保っています。



つまり、夏の延長のような生育期の状態を演出するわけです。
これで、バルブの充実の遅れた株を早く完成させるのです。


これ、皆さんのご自宅でも応用できますね。少し生育の遅れた株は自然に任せて外に出しっぱなしよりも、室内に取り込んで、明るい場所で管理することをオススメします。
バルブがしっかり出来上がってから外に出して低温に当ててやってもいいですね。


デンドロビュームが花を咲かせる決め手はこの低温処理の前段階のバルブの成熟にあると言っても言い過ぎではありません。 


ノビル系デンドロビュームは通常、夏までには止め葉を出し、バルブ(正確には偽球茎と言います)の先端まで充実した後に低温に遭遇すると花芽分化を 起こし、開花の準備が整います。この成熟に必要な期間も品種によって異なり、短い品種で約30日程、長いもので60日以上要するものもあります。 

年末の歳暮贈答用、クリスマスシーズンに開花するデンドロビュームのほとんどは山上げ栽培を経て開花したものですが、止め葉の発生時期、バルブの充実が早い性質を持った品種であるから、山上げ栽培が可能なのです。

よく早咲きタイプ、遅咲きタイプ、あるいは早生品種、晩生品種と分別される場合は、このバルブの成熟に要する期間を基準に言うことが多いです。

私達はこの品種特性にあわせて、年末に開花させる品種、年明け開花の品種と言うようにそれぞれの品種に合わせて開花を調整するのです。