2012/04/16

残す?残さない?

電話でこんな質問をいただきました。
「花はどこから取ったらいいのですか?」
てっきり茎を残すかどうかの質問と思いましたが、そうではないようです。

茎から伸びた緑色をした花梗(花柄ともいう)を残すべきかどうかという質問のようです。

答えとしては花柄から先の部分のみを取れば良いということになりますが、電話の方はどうも納得いただけない様子でした。見た目が良くないというのが理由らしいのです。






本来はこれで良いのですが・・・


見た目はたしかに良くないですが、通常の栽培の場合でも花柄部分を取ることはありません。
市場出荷等で古い茎の見栄えを良くする場合にきれいに取り去ることはあっても、生育上これを取る必要がないからです。
何より、無理して引っ張れば茎をえぐったり、樹液が手に付いたり、病気、ウイルス病の感染原因になりかねません。


こんなことになったり

ひどい結果が待っています

見た目をきれいにしたいがために、ハサミやカッターなど刃物を入れることは病気に感染する機会を増やすだけです。
どうしてもという場合は、刃先を第三リン酸ソーダで消毒すると良いのですが。
実際に花期の過ぎた花を取る場合ですが、花が終わりに近づけば、このように非常に取りやすい状態になります。

花を摘んで引っ張るだけでこのとおり。
また、何らかの事情で開花状態で取る場合は指を掛けて手前に引っ張れば手に樹液をつけることなく花を取ることが出来ます。


花梗に残った小花柄は自然に乾いて落下します。



細い枝は乾いて自然に落下


 また、この花梗部分を残すことで場合によっては2度花を楽しめる場合もあります。


花梗の付け根部分に生じた腋芽が花芽に変化す場合があり、そのような場合には再び花芽が伸びて来ることがあります。

以下の写真は昨年咲いた部位になります。
葉が既に落葉し、バックバルブとなっていますが、花梗の名残からは新たな花芽が生じて開花しています。

昨年咲いた部位になります。

こちらはファンシーエンジェル‘リセ’。
昨年咲いた上に、葉を落とすことなく翌年再び花芽をつけました。


中には同じ事を繰り返す株もあり、二度どころか三度楽しめることもあるのです。