2010/10/07

苗の輸出

岡山の農場ではデンドロビュームの苗の輸出の準備を行っています。
週明けにハワイ農場への最新品種のデンドロビュームの輸出が予定されているからです。
海外で新品種を本格的に導入するためにはメリクロンで大量増殖する前にハワイでの試験栽培をしたり、大規模生産者へ試作用サンプルを提供する必要があります。


ポットから苗を抜き根をほぐします

アメリカへ植物を輸出するためにはベアルート(コンポストを着けないで根をむき出した状態)での輸出が規定されているため、植え込み材料のベラボンをすべて払い落とさなければなりません。
 根の先が痛んでしまいデンドロビュームには決してよくありませんが、決まりですから仕方がありません。
反対にハワイから日本に苗が入ってくる場合は水苔が付いていても大丈夫なのです。


根だけになった苗



 すべての植え込み材料を流水で洗い流し、さらに根に絡まった細かいヤシガラを取り除きます。

植え込み材料を取り除いた後は病害虫予防のため全ての苗を農薬で消毒します。
植物防疫所で植物検査を受けて植物検査の合格証明書をもらわないと輸出できないためです。
万一、害虫が一匹でも出た場合は検査には合格しませんので、航空貨物の手配などの輸出スケジュールや苗の状態に大きく影響が出ます。とても重要な作業になります。


消毒を待つデンドロビュームの苗


植物全体を農薬に浸し消毒します




棚にひろげて乾かします




農薬で消毒した後は棚にひろげて苗を乾かします。
苗がしっかりと乾いていないと梱包したあとに、箱の中で苗が蒸れて痛んでしまうからです。
苗を広げて乾かしている間も全ての苗を確認し、虫がいないか再度チェックします。
輸出の日程を念頭に置きながらの作業です。

数量が多いため苗の処理は週末まで続きそうです。