2011/04/20

葉や茎にみられる色素

以前にいただいたご質問です。
「葉の裏側の付け根に赤黒い斑点があるのですが病気でしょうか?」
商品を発送してすぐのことでしたので、 少し心配したのですが、よく伺ってみるとどうも病気ではなさそうです。品種を伺って、もしかしてと思うことがありました。


普段あまり気が付かないのですが、デンドロビュームの一部の品種には、茎や葉に赤や赤紫の斑点、模様が入ることがあります。




写真はスプリングデー‘イエローパスタ’
Den.Spring Day 'Yellow Pasta'
問合せの品種もこの‘イエローパスタ’でした。
葉の付け根に赤く見えるのが‘イエローパスタ’によく見られる赤い斑点。
果たして、病気でしょうか?

Den.Spring Day 'Yellow Pasta'


確かに初めての方が、病気が出たと思ってしまうのも無理は無いですね。


Den.Spring Day 'Yellow Pasta'






デンドロビュームの交配種はいずれも、その品種の交配親を何代か遡れば、原種や日本の石斛(セッコク、学名:Dendrobium moniliforme)に辿りつくのですが、これら原種には特に葉、茎共に赤や紫の色素を多く含むものが見られます。


これは石斛(セッコク)の茎
高芽になった部分には葉脈に沿って赤い縞模様が葉だけでなく茎にも見られます。

Dendrobium moniliforme


こちらは原種Den.friedericksianum  フレデリックシアナム
葉鞘部分に筋のように色素が確認できます。

Den.friedericksianum



こちらはDen.Santana 'Canary' サンタナ‘キャナリー’です。
(Den.moniliforme x Den.friedericksianum )
Den.Santanaは先に紹介した石斛(セッコク)とフレデリックシアナムの交配です。

バルブ全体が赤茶色に見えるほどです。

Den.Santana 'Canary'




こちらはウンカイ‘クレーン’
Den.Unkai 'Crane' BM/JOGA
この品種も石斛(セッコク)の血が入っていますが、すでに5世代以上交配が進んでいます。

模様の入り方もかなり特徴があります。


Den.Unkai 'Crane' BM/JOGA




このようにじっくりと見れば、結構いろんな品種で赤い色素が確認できますね。
皆様のお手元のデンドロビュームはどうですか?

江戸時代、日本では石斛(セッコク)の仲間を長生蘭と呼び、この茎や葉に入る模様まで楽しんでいたそうですから東洋蘭の世界もたいへん奥が深いですね。


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