2010/11/01

デンドロビュームの11月の管理

11月になりました。

生育の遅れていた株のほとんどが止め葉も出て茎が肥大し、開花株として完成していると思います。今後は花芽をつけて開花させるための管理の期間です。
戸外で管理している苗の中には、茎の各節から花芽の膨らみが確認できるものあるでしょう。そうでなくても、夜間の最低気温に注意し、いつでも室内に取り込めるよう準備をします。
既に室内に取り込んでいる場合もいずれ、室内の低温で花芽分化が起きます。


デンドロビュームの11月の管理を簡単にまとめてみました。



戸外で管理するデンドロビュームに花芽の膨らみが確認できます


生育の終わった株は気温の低下とともに休眠期に入りますので、生育期のように頻繁な水やりや病害虫の対策の心配もありません。

昨年伸びた古い茎についている葉や新しい茎の下部の方は黄変し脱落してきますが、これは充分に成熟し、休眠期に入るデンドロビュームの性質であり自然なことなので心配ないでしょう。


バックバルブや株元の葉が落ちるのは自然なことです



置き場所に付いて

夜間の最低気温が7~8度以下に下がりはじめたら、今まで戸外に出していた株を室内の日当たりの良い場所に取り込みます。

暖房などは必要なく、南向き、または東向きに面した縁側や窓の内側が適当な場所です。
晴天の暖かい日には窓を開けて通気をはかるようにします。
温度を高くすれば早く開花しますが、リビングなどの暖房による極端な乾燥や高温は葉を落としたり、花芽が黄変したりする恐れがあります。
人のいるときだけ暖房器具で室温が高く、人のいない夜から明け方には厳しく冷え込むような部屋よりは日中の自然な温度の上昇がある程度で充分です。休眠期は日中もそれほど高い温度は必要ありません。

休眠状態のデンドロビュームにとっては安定した温度変化の方が株に負担もなく管理も楽で、失敗も少ないでしょう。
11月下旬頃になると夜間の冷え込みも次第に厳しさを増し、室内でも6~7度くらいに下がりはじめます。
しかし、生長が止まり、休眠期に入っているのでこの程度の低温はデンドロビュームにとっては全くさしつかえありません。
湿度も自然のままでよく、特別に気を配る必要はないでしょう。






光線について

休眠期に入っていますが、光線はできるだけ当てたほうがよく、暖かい日には窓を開放して直射日光を当てるようにします。
ただし、閉めきった窓辺は意外に高温になることがあります。レースのカーテンなどを利用したり、窓を開け風を取り入れたりして、極端な高温に注意をします。

花芽が付いている場合はせっかくの花芽が高温でだめになることもありますので特に注意します。



明るいのは構いませんが、窓辺の高温に注意します




水やりについて

最低気温が10度以下になる日が多くなるため、乾燥気味の管理になります。
よく晴れた暖かい日の午前中に、鉢の中が少し湿る程度の軽い水やりを行ない、夕方までには乾くようにします。
それが乾いても直ぐに次の水やりをせず、数日は様子を見ます。茎が太っていて瑞々しさを保っていれば水は足りています。
よほど晴れた日が続いて、よく乾いたとしても3~5日に1回位の割合でも充分です。
夜間の最低温度が確実に10℃以下に下がるようになれば、7~10日に1回程度とします。



1週間以上乾かしても瑞々しさを保っています


古い茎は萎びていても自然と元に戻ってきます。慌てて大量の水やりをしないよう注意します。
低温時の灌水過多は必ず根傷みの原因となるので注意しましょう。




古い茎は萎びていても元に戻ります




肥料について

休眠期であり、温度の低い場所での管理には、全ての苗において施肥の必要はありません。





病害虫について

水やりも減り、葉の病気の心配もほとんどありません。
室内での管理へ移っていくため、害虫の飛来も心配ありませんが、戸外からのデンドロビュームの取り込みの際にナメクジやヨトウムシが付いたまま室内に持ち込むことがありますので、よく注意します。室内なので農薬を使わず、見つけ次第捕殺します。

暖かい部屋での管理の場合は乾燥しすぎてダニが発生することもあります。
早めに発見して湿らせたティッシュ等で拭きとってやります。






花芽分化の終わった株はすでに花が咲く準備が出来ています。
適正な管理でよい花を咲かせましょう。