2010/11/10

加温から約6週間後の花芽

山下げ後、加温を開始してから約6週間後の花芽の様子です。

この1週間は比較的天気の崩れは少なかったため、花芽の生育は順調です。

卸売市場の方や開花を楽しみにしているお客様から、デンドロビュームの開花はまだですかと問い合わせいただきますが、もうしばらくお待ち下さい。

前回の投稿からは7日経過しています。
以下のリンクを参考にしてください。
http://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2010/11/5.html

今回も比較しやすいよう同じ品種、ほぼ同じ部位を撮影してみました。


コメットキング‘アカツキ’の花芽(加温開始から6週間後)

コメットキング‘アカツキ’の生育は極めて順調です。
先週は花芽が正面に伸びてきているとお伝えしましたが、今週はさらに花梗(花柄)が伸びて前方にせり出し、小花柄が伸びて蕾がそれぞれ独立してきました。
順調に蕾が大きくなっている様子が良くわかります。

枝分かれして蕾の数が良くわかる

花梗が前方に向かって伸びているのは一方向咲き、正面咲きに品種改良したことによると先週の投稿で書きましたが、さらに、斜め上に向いているのが分かりますか?
戦前、戦後の古い品種では花梗が水平に伸びて、長く細く垂れ下がる品種が多かったため、花が下向きに咲き、観賞価値が劣っていましたが、デンドロビューム育種家の山本二郎は1970年代に入り、これらのデンドロビュームの欠点を次々と解消していきました。
垂れ下がった花梗を改良して上向きに、太く、短くすることで大輪花でも正面向きに整然と咲き、観賞価値を著しく高めたのです。


※花梗(Peduncle)とはバルブ(茎)から直接出ている複数の花を支える部分のことです。
小花柄はそれぞれの花を支える柄のことです。受粉したときはこの部分が肥大して種子ができるためランの場合、花柄子房(Pedicellate ovary)と呼ばれます。




コメットキング‘アカツキ’の花芽(加温開始から6週間後)

花芽の生育の遅かったシーマリー‘スノーキング’も蕾が分かれてきました。




シーマリー‘スノーキング’の花芽(加温開始から6週間後)

来週はもっと蕾が色付いているはずです。

今後も花芽の様子は、このDendrobium Blog デンドロビウムブログでご報告します。