そこで、ずいぶん前にあった驚きの問い合わせを思い出しました。
受け取った後、2週間ほど箱から出さないまま放置しておいたデンドロビュームを、そのまま相手に渡しても大丈夫かという問い合わせでした。その方の場合、箱を提げて届けに行ったら、旅行で留守にされていて渡せず、箱にデンドロビュームが入ったまま2週間保管していたそうです。時期が3月であったこともあり、当然ながら花は使い物にはなりませんでした。もう少し早くににうかがっていればアドバイスできたのですが、、
このようにご自身で相手方にお持ちになる場合、すぐに相手に渡せるかどうかもわかりませんし、相手に渡すまでの心配はありますね。
そこで、受け取ったデンドロビュームの取り出し方、保管方法を、梱包の手順を逆から解説することで分かりやすく説明してみます。
今回解説する箱は4.5号や5.5号用の上から取り出すタイプです。
荷物が届いたら当然蓋を開けますが、カッターは深く挿すと植物を傷付ける場合があります。
デンドロビュームは断熱と痛み防止のために緩衝材で固定されています。
栽培管理のしおりやメッセージカードは傍らに入っています。
揺れ防止のために両サイドをテープで固定していますのでこれを外します。
この状態で箱に手を入れて引き上げられる場合はそのまま引っ張り出してください。
4.5号などは簡単ですね。
6.0号以上の鉢の場合は全面に扉が付いているため取り出しやすいのですが、5.5号の場合は引っ張り出すのは難しい場合もあるでしょう。
そこで、片面の両サイドをカッターナイフで縦に切り込みを入れます。
鉢を固定している台座付近まで切ります。
全面が解放されたので取り出しは簡単です。
取り出すと緩衝材に巻かれた状態です。
緩衝材を取ります。下からはセロハンに包まれたデンドロビュームが顔を出します。
和紙で包んだデンドロビュームがさらにセロハンに入っている状態です。
冒頭のお客様のように 3から4日程度置いておくのであれば、室内の暖房のない涼しい場所にこの状態で保管していただければ大丈夫です。このまま相手方にお持ちになると良いでしょう。
それ以上置いておくのであれば、和紙やセロハンで花が圧迫されてしまうため、和紙もセロハンも取った方が無難です。置き場所はやはり暖房のない涼しい場所です。
そうするとたいへん花が長持ちし、長期間楽しむことが出来ます。
番外編です。
箱を切らずにそのまま残せば再度持ち運び用に使用できますが、中身が見えないため、傾けたときに少々不安です。
※写真は緩衝材を巻いた状態ですが実際にはこれをとった状態、つまり和紙、セロハンの状態で入れていただくとよいでしょう。