2011/01/16

研究温室から 20110116

「実生の販売はまだですか?」と問い合わせをいただくようになりました。

そろそろ初花も咲き、交配作業も忙しくなる時期です。

初花のセット販売を楽しみにしていただいている方も多いと思います。
今年は昨年の猛暑の影響で、実生の開花がやや遅れ気味なのと 、開花も分散傾向にあり、この時期の開花は少ないようです。
今しばらくお待ちください。販売できるようであれば、こちらでも報告させていただきます。



現在の研究温室の様子を紹介します。



今朝の岡山市の最低気温はマイナス3度でした。
育種研究用温室入り口には大きなツララがぶら下がっていました。
とても寒い朝でした。






東西に40メートル、間口10メートルの古いガラス温室には親株、保存株、これから初花を咲かせる実生株等、交配に使用する大切な株ばかりがぎっしりと詰まっています。




正面咲きの美しいデンドロビュームです。
しかしながら、商品ではありません。次世代の優良花を生むべく、さらに改良が加えられます。

弊社の品種の紹介に「正面咲きで花型良く、、、」とありますが、いまいちピンと来ない方もいらっしゃると思います。
決して明るい方向に向いて咲く訳ではなく、開花時に誘導するわけでもありません。

すべて、長年の育種による改良の結果です。




完全な一方向咲きはへの改良は1977年、山本二郎によりラブリーバージン‘エンジェル’が作出されたことで完成しましたが、花型、花色、花保ちと目標は尽きることがありません。







市場へ向けての商品の育種のポイントは、単に正面を向いていれば良いというだけではありませんが、ここ山本デンドロビューム園の育種研究温室で管理されているデンドロビュームはさらに高度な改良が年々、積み重ねられています。


花型が最高に良いデンドロビュームです。
豊大なリップと色彩も艶やかでとても魅力的です。



僅か20センチ程度のバルブに極大輪の花をつけるデンドロビュームは他では見られません。





研究温室は一般には開放していませんが、初花や保存株など、普段目にする機会のない珍しい花など、時々こちらのブログで紹介していこうと思います。