最新の交配種もありますが、貴重な花も沢山咲いています。
今日は古い品種を紹介します。
Den.Permer 'Kobe' (Den.Regina x Den.Ikeda)
パーマー ‘コーベ’
Den.Permer 'Kobe' |
今から約70年前の交配ですので、草姿は決してよくはありません。
花つきもまばらですが、現在の4倍体の基礎となった貴重な品種です。
当時としては非常に珍しい鮮紫紅色の巨大輪花であり、現在の大輪系優良品種の改良の基礎となった重要な品種といえます。
Den.Permer 'Kobe' |
1970年ころに発刊された洋ランの総合種苗ガイドによると、Den.Permer パーマーの価格が3.000円と記されていることから、この当時から既に入手困難で貴重な品種であったことがうかがえます。
Den.Permer 'Kobe' |
RHSへの登録は1968年ですが作出は戦前、山岡健太郎氏による作出の大変古い品種です。昭和10年頃(1935年)からの交配、実生が始まりです。
山岡健太郎氏は他にもDen.Mont Blanc モンブランなども白花の銘花も作出、発表されていますが、いずれも戦後になるまで国際登録されていなかったため、山本二郎により、山岡健太郎氏の名前で正式にRHSに登録された経緯があります。
これは戦前の育種先駆者たちの銘花と呼ばれる優秀な作出種の多くが、RHS(Royal Horticultural Society:英国王立園芸協会)に登録されていなかったことによります。
今でこそRHSへの登録は育種を手がけるものにとっては、国際的ルールに従ったとても重要な権利であり義務でもあります。しかし、当時の人の考え方として自分の名前を国際的に登録することは、売名行為のように捉えられていたようで、国内のほとんどの重要な交配が国際登録されていなかったのです。
そこで、これらの銘花を後世に残すべく、没後の本人に代わって、家族の承諾を取り、山本二郎が代理で国際登録をしています。
Den.PermerをRHSで検索してもらうと、作出者として山岡健太郎氏の名前がしっかりと残されています。
Registrant Name(登録者) J.Yamamoto(山本二郎)
Originator Name(作出者) K.Yamaoka(山岡健太郎氏)
http://apps.rhs.org.uk/horticulturaldatabase/orchidregister/orchiddetails.asp?ID=59542
このDen.Permerと言う交配からは‘コーベ’の他に ‘オークボ’、‘ミカゲ’、‘マイコ’、‘アカシ’などの銘花が生まれました。
パーマー ‘コーベ’に興味のある方はこちらをご覧ください。http://item.rakuten.co.jp/dendro/10000597/