サニーホープ
商品としての販売はしていませんが、スプリングバード等の小型優良品種の交配親として非常に良い結果を出しているデンドロビュームです。
サニーホープは非常に多くの個体が存在し、交配用に保存されていますが、今回は、現在、開花している2品種を紹介します。
交配親にのみ使用する品種は、個体を識別するための番号しか割り当てていませんので、特別な名前は付けていません。
まず、 Den.Sunny Hope 'No.1'です。
Den.Sunny Hope 'No.1' |
とにかく花つきが良い個体です。上から下まで見事に着花しています。
上の画像は育苗温室で低温処理すること無く、勝手に開花した株です。
育苗温室なので夜温を18度に保ったままの管理ですが、株元まで見事に着花しています。
11月中旬には自然と花芽がつき、現在の開花に至ります。
周囲の他の品種には全く花が咲いていないのがお分かりいただけるでしょう。
Den.Sunny Hope 'No.1' |
白弁に明るい橙色の目が入ります。そして芳香が強いです。
温室内でもこの株の周囲は良い香りがします。
Den.Sunny Hope 'No.1' |
そして、Den.Sunny Hope 'No.5'です。研究温室で開花していたものを見つけて、2.5号の陶器鉢に入れてみました。
このままでも、十分商品としても通用する容姿だと思います。
Den.Sunny Hope 'No.5' |
しかも株立ちがよく、少なくとも一つの茎から新芽が3から4本芽吹くため、1作しただけでも、花が咲くバルブが3本以上出来ることになります。
Den.Sunny Hope 'No.5' |
花弁は白ではなく薄いクリーム色でリップの中はグリーン系黄色です。
Den.Sunny Hope 'No.5' |
兄弟株ですから、花の形、大きさ、色の配色、芳香性は似通っていますが、改めて、両者の画像を比較していただくと、株立ちや花の咲き方が大きく異なることがお分かりいただけるでしょう。
この違いで単純にその個体の優劣を決める事にはなりませんが、商品性を交配目標に決めて育種をする上では花色だけを意識すれば良いのではなく、株立ちや花の咲き方が重要な要素のひとつとなります。
Den.Sunny Hope は作出から15年もの間、交配親として、毎年研究温室で開花し続けています。
改めて眺めてみると、とても愛おしいデンドロビュームに思えてきます。