2010/09/15

オボロヅキ‘キャナリー’ AM/RHS

Den.Oborozuki 'Canary' AM/RHS  (Den.Aurola Heart x Den.September Moon)
オボロヅキ‘キャナリー’ AM/RHS



オボロヅキ‘キャナリー’ AM/RHS


花弁は上品なクリーム黄色でリップに濃黄色の斑が入ります。厚弁で花つきがよく、ヒヤシンスのようにぎっしりと着花します。

この品種は1969年(昭和44年)、世界最高権威を誇る英国王立園芸協会 (R.H.S.)の品評会にて、デンドロビューム育種家の山本二郎が日本人初の快挙であるAM/RHSに入賞を果たした銘花です。
いまから40年前、世界中を驚かせた美しいデンドロビュームは今となっては古めかしく感じますが、現在の美しい品種群の基礎を築いた重要な品種です。


オボロヅキ‘キャナリー’ AM/RHS


当時のエピソードです。
1969年(昭和44年)、デンドロビューム育種家である山本二郎は自らの作出したデンドロビュームの真価を問いたいと思い、当時世界で最も権威あるとされていた、英国王立園芸協会(R.H.S)の展示会に出品することを思い立ちます。

自ら作出したデンドロビュームの切り花を箱に詰めて、意気揚々とイギリスに降り立った彼は、展示会が行われるロンドンヴィンセントスクウェアの会場の豪華な雰囲気とその規模に圧倒され、一転して自らの 無知を恥じるような気になったといいます。

当時の日本での展示は、銀座の老舗デパートにおける展示会であっても、ただ、棚の上に並べるだけでしたが、イギ リスの会場では、熱帯植物の間に鉢を見せないように自然に植え込むという、今でこそ国内でも一般的になりつつありますが、当時の山本二郎には想像もつかないような展示準備が進められていたのでした。

場違いな自分に気づき、恥ずかしい気持ちでいっぱいになった彼は出品をあきらめ、会場内を見学していた時、ある親切なイギリス人が山本二郎の手にした荷物に目 を留め、彼の辞退にもかかわらず、はるばる日本から来たのだからと、親切に花瓶を用意し会場の片隅に場所を作ってくれたのです。

そして、審査結果の発表の日、思いもかけない結果が待っていました。全世界の有名らん園が自信作を持ち寄った約5000点の出品物から選出された、5点の入賞花のうちの何と2点が 彼の作品だったのです。

英国王立園芸協会(R.H.S)より受賞した賞状を手にする山本二郎

これは戦前から長い歴史を持つ日本の洋ラン界にとっても初めての出来事であり、まさに日本人初の快挙として国内はもとより海外でも大きな話題として取り上げられました。

英国王立園芸協会(R.H.S)入賞のメダル


オボロヅキ‘キャナリー’ AM/RHSは、まさに山本デンドロビューム園とデンドロビューム育種家山本二郎の名を一躍世界に知らしめた銘花と言ってもよいでしょう。



オボロヅキ‘キャナリー’ AM/RHSに興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。
https://item.rakuten.co.jp/dendro/10001052/