2010/09/11

モンブラン

戦前に作出されたデンドロビュームの銘花をご紹介します。

Den.Mont Blanc (Den.Wiganiae x Den.Gatton Beau)
モンブラン



RHSへの登録は1969年ですが作出は戦前、1937年頃、山岡健太郎氏による作出の大変古い品種です。
山岡健太郎氏は同時期に紅紫系大輪花の基礎となるDen.Parmer パーマー なども作出、発表されています。
このDen.Mont Blanc モンブランは戦後になるまで国際登録されていなかったため、1968年に山本二郎により、山岡健太郎氏の名前で正式にRHSに登録された経緯があります。



白色大輪の花でリップには美しい黄目入り。
肉厚の白色大輪花としてその後の白系優良品種の交配親として活躍した銘花でした。

白花ではありませんが1964年の全日本洋らん協会主催の洋らん展において山本二郎が農林大臣賞を受賞したDen.Golden Wave 'No.1' も交配親にこのDen.Mont Blancが使われています。
Den.Golden Wave  (Den.Mont Blanc x Den.Thwaitesiae )



また、Den.Mont Blanc モンブランは切花の実用品種としても1960年代半ばまで現役の品種でした。

1966年に弊社が発行したデンドロビュームのカタログにも山本デンドロビューム園作出の当時の最高級品種と並んで、在来人気品種の代表として掲載されています。

1966年発行のカタログ

品種紹介ページには白色の人気品種で切花としてその当時1本300円から500円で市場で取引されていると紹介されています。


1966年のカタログの品種紹介ページ




バルブの太さや節間の長さ、長く下垂気味の小花柄などから古い品種の印象は受けますが、70年以上前の作出当時はまさに白花の代表格であったに違いない清楚で美しいデンドロビュームです。


興味をお持ちになった方はこちらをご覧ください。
http://item.rakuten.co.jp/dendro/10000584/