2010/09/04

原種プラティカウロン

研究温室からデンドロビュームの原種をご紹介します。

Den.platycaulon
プラティカウロン

20年以上前にハワイのラン業者から譲り受けた苗を研究用に保存していたものですが、これがとても不思議なバルブを持つデンドロビュームなのです。

一見普通のバルブに見えます

一見すると、ノビルタイプによく似た葉やバルブに見えます。


瑞々しくプリプリと太って見えますが

正面から見るとずいぶん立派なバルブに見えるのですが。


横から見ると???

真横から見るとなんだか薄っぺらいバルブが見えます。


押しつぶしたようにとても薄いバルブです

まるで押し花をして潰れたのではと思ってしまうくらい正面の太さからは想像も出来ないくらい厚みのない薄いバルブの姿に初めて見た方は皆さん決まって驚かれます。


厚みは7mm程度しかありません。

厚みは良く太ったバルブでさえ7mm程度しかなく、古いバルブなどは干物のようにぺちゃんこです。
この薄く平べったいバルブの頂部付近の節から花茎を下垂させ、淡い黄色の花を房状につけます。


淡い黄色の花が房状に咲きます

花はとても小さいのですが香りが結構強く、甘い香りが楽しめます。


非常に甘い香りがします


分布地域や個体により花色は様々らしく、原種図鑑等の書籍に掲載される写真やwebサイトで見かける画像ではリップにピンクやグリーンの着色があるものが見られます。
弊園にあるのは淡い黄色の優しい色合いです。

現在ではDen.platygastrium プラティガストリウムと呼ぶのが主流のようです。


地域によってはバルブの長さが1m以上になる個体もあるそうですが、残念ながら弊園の個体は今まで栽培してみても40から50cm程度にしかなりませんでした。


デンドロビュームの原種の数は、ラン科の中で最大と言われ、熱帯アジアを中心に北は日本から南はオーストラリアまで、広く分布していますので、種類の豊富さは認識していますが、普段ノビルタイプのデンドロビュームばかりに接しているためデンドロビュームの原種の種類の多さ、素朴さや形態が様々あるのを改めて見ると、とても新鮮な気持ちがします。 



興味のある方はこちらをどうぞ
http://item.rakuten.co.jp/dendro/419352/