1926年、イギリス人のHorridge氏によって、発表された有名なメルランです。これはその交配の中から当時新宿御苑が選抜して個体名を‘新宿’として売りだしたものです。
※新宿御苑は当時、日本ではじめて温室を用いたランの栽培を行ったり、園芸植物の輸入や民間への技術の普及にも力を入れていました。
Den. Merlin 'Shinjuku'
(Den. nobile x Den. Queen of Gatton) 1926年 Horridge RHS登録
メルラン ‘シンジュク’
Den. Merlin 'Shinjuku' |
以下の品種説明は昭和44年発行の「総合種苗ガイド 洋ラン編」の記載から
新宿御苑が選抜した銘花。昭和の初期のラン愛好家にとっては垂涎の的。濃ピンク、リップが大きく、赤褐色の目の周りをコロナ状に彩る美しい巨大輪の銘花。
写真は1968年発行の弊社カタログですが、この当時すでに在来品種扱いでした。
赤線部分をご覧ください。
Den. Merlin 'Shinjuku' |
咲き方もうつむき加減で、観賞価値は決して高くはありませんが、これが当時の最先端の交配だったのです。
今の品種とは比べるまでもありませんが、80年前の愛好家を驚かせたこのデンドロビュームは現在の紅紫系デンドロビュームの基礎となった重要な品種とも言えます。
メルランに興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。