2011/07/27

バニラを育ててみる その2

バニラを育ててみる その2


前回はバニラの生育環境と生育サイクルを見てみました。


今回はバニラの実際の栽培と増やし方について知ってみましょう。

一般的に販売されているのは下の写真のようなサイズのものが多いと思います。
可愛いカゴに入ったものもあるでしょう。



バニラの簡単な管理


バニラは蔓状に伸びる茎と葉の付け根から伸びる気根で支柱や周囲の壁を伝って伸びていきます。見た目はまさに観葉植物そのものです。
 




春からの生育期は蔓と気根をどんどん伸ばして生長しますので、根が溢れて収まり切らないようなら春から夏にかけて大きな鉢に植え替えをしてやります。
水苔と素焼き鉢で植えてやると水の管理もしやすいようです。



バニラは蔓や気根を周囲に絡めて伸びてゆくため、支柱が必ず必要になります。
活着のためにはヘゴ棒のほうが良いのですが、普通の支柱でも構いません。
被覆したビニールパイプで支柱を立てる場合は絡みにくいので、ビニタイなどで縛ってやり、蔓を誘導してやります。
密集して蒸れるのを防ぐために、螺旋状に巻いてなるべく上に伸びるようにします。

バニラの水やり

多湿を好むため乾いたら、水やりはたっぷりとやります。
夏の乾きやすい時期は、鉢の中だけでなく、気根にも水が行き渡るよう、スプレーしてやるのもよいでしょう。

秋から冬はやや控え気味に。鉢の中が乾いてから次の水をやるように心がけます。


バニラの肥料

春から夏にかけての生育期には液体肥料を施してやると葉の色、艶も良く、観葉植物としての楽しみが増します。ハイポネックスなどの液体肥料がつかいやすいでしょう。



バニラの置き場所

1年中、高温多湿と明るい場所を好みますので、室内管理の場合は夏場の極端な直射光線以外は、なるべく風通しの良い窓辺で育ててやりたいですね。
ただし冬は夜間冷え込んで来たら、窓辺から離してやる必要があります。窓辺の低温でたった一日でダメにしてしまうかも知れません。


バニラの冬越し

一般家庭でのバニラ栽培で一番の心配はこの冬越しですが、冬の室内を10から15度程度保つことと乾燥し過ぎないよう注意すれば大丈夫でしょう。
ただし植物の生育は積算温度に比例しますので、最低温度ぎりぎりで育てるよりは少しでも温度が高いほうがより生育が進むことは覚えておきましょう。秋から冬、冬から春にかけての夜温の差がバニラの生長にも影響してくると思われます。
花を咲かせて、実までと考えている方はなるべく原産地の温度に近づける必要があります。
冬越しの最低気温は植物として耐えることが可能な最低の温度と考えておいたほうが良いでしょう。


以上が簡単な育て方です。
花が咲くまでは2、3年はかかると言われています。私たちが温室で育てた場合でも花を見るまでは7年近くかかりました。株の成熟度合いにもよると思われますので、気長に大きく育ててやるのが良いと思います。

更に詳しい育て方は以下のリンクを参考にして下さい。

バニラの育て方

https://yamamotodendrobiums.blogspot.com/2020/09/blog-post.html


バニラの増やし方を解説します


このバニラ、どうやって増やすのでしょう。
せっかく購入したバニラも管理の失敗でダメにするとちょっと残念です。簡単に増やすことができるので、初めての栽培で上手く育てる自信のないときは同時に、苗も増やしておくと良いでしょう。


バニラは葉の付け根から気根を出して生長を続けます。この性質を利用して挿し木繁殖が可能なのです。国内で観葉植物として販売されているほとんどがこの方法で増殖販売されています。

まず、よく太った部分の茎を葉と気根を2から3箇所ほど含めて刻みます。


切り口が乾いたら、プランターや鉢に挿してやります。
挿し芽に使用する用土は園芸店で購入可能な安価な培養土で構いません。
ここではデンドロビュームの挿し芽にも使用するプロミックス(配合培養土)を使用しています。




家庭なら水苔で巻いて1鉢ずつ植えてやってもよいでしょう。



 
気根が鉢の中に伸びて定着しやすいように支柱で茎を支えたり、根を鉢の中に誘導してやります。根が張ってくるまでは鉢の中というよりも気根も含めて水をかけてやるようにします。


以上です。





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