「未成熟の株は早めに室内に取り込みましょう」と、趣味で育てる場合のデンドロビュームの置き場所、栽培環境について書きました。
これは私たちプロの生産現場でも同じです。
先日から、 戸外の鉢をすべて生育具合を確認、選抜して温室内への取り込み作業を行なっています。
夏の間、風通しの良い、戸外で育ったデンドロビュームはすべてが秋の到来と共にそのまま外で管理というわけにはいきません。
日中はとても快適で太陽光線をしっかりと浴びせてやれるのですが、夜間の冷え込みは茎(バルブの)生育にとってはけっして良くありません。
すでに茎(バルブ)が十分に成熟していれば良いのですが、品種の数が多く、それぞれ株の生育状況も違う上に、品種によっても茎の充実に要する期間が違い、また遅咲き、早咲きと性質が違います。
皆さんが栽培する場合も、外に置いておこうかどうしようかと迷った場合は、早めに室内に取り込んだほうが、結局のところ生育が早まり、開花も上から下まで揃い、楽しめるということになります。
この時期、山上げ作業および山下げ作業と重なりスケジュールはたいへん過密になります。
この日は雨の中ですが、作業を行います。
十分に茎(バルブ)の太った早咲き品種はそのまま残し、自然に秋の低温に当ててやります。
それ以外の鉢はすべて温室に取り込んでやります。
量が多く、選別と移動に数日かかりましたが、十分に成熟した鉢のみを残し、 敷地内に溢れていた未熟な鉢はすべて取り込みました。
右端に見えている鉢はこのまま外へ残す鉢です。自然に秋の低温に当ててやります。
現在山上げを行なっている鉢よりは開花が遅れますが、年明け直後には開花してくれるでしょう。
デンドロビュームの栽培現場では1年を通して気が休まる時がありません。